単価を上げる根拠は実績ではなく、受けられる件数と必要な売上から出します。件数が埋まっているのに残らないなら、上げる時期です。
値上げしたいが、実績が足りない気がして踏み切れない。その判断は実績ではなく、自分の稼働の数字で決められます。
MIKATA編集部が個人で活動する方の相談を整理すると、単価を上げられない理由の多くは「根拠を持っていないこと」でした。実績が足りないのではなく、いくらであるべきかを計算していない。計算した人は、金額を伝えるときに迷っていません。
上げる判断
次のいずれかに当てはまるなら、上げる時期です。
- 枠が埋まっているのに、手元に残らない
- 件数を増やす余地がなく、収入も増えない
- 経費が上がった(ツール、学び、掲載の費用)
- 扱える範囲が広がった
- 準備や記録にかける時間が増えている
1番目と2番目が同時に起きているなら、単価以外に解決策がありません。件数で調整できる段階を過ぎています。
3番目と4番目は、伝えやすい理由でもあります。扱える範囲が広がったことは、相談する側にとっても価値の変化です。
5番目だけが理由なら、先に進め方の効率を見直す余地があります。
記録の形を変えるだけで、時間が戻ることもあります。
先にそこを試す価値があります。
実績は根拠にしなくていい
「まだ実績が足りない」と考えると、いつまでも上げられません。根拠は稼働と経費です。実績は、上げたあとに積み上がります。
安いままだと件数を増やすしかなくなり、1件あたりの準備が薄くなります。結果として質が落ち、実績も積み上がりません。
疲れて休むと収入が止まるため、休めない状態にもなります。
続けられる形にするための計算だと考えてください。
価値を主張する作業ではありません。
安さで選ばれた相手は残りにくい
金額だけで選ばれた場合、もっと安い相手が現れれば移ります。扱う範囲と進め方で選ばれた相手のほうが、続く割合は高くなります。
安さで集めた件数は、同じ労力で入れ替わり続けます。
毎月ゼロから積み直す形になり、稼働が読めません。
同じ人が続くほうが、1件あたりの中身も濃くなります。
経緯の説明が要らないぶん、進みも早くなります。

金額の出し方
60分のセッションでも、実際にかかる時間はそれだけではありません。事前の準備、記録、間の期間の連絡、日程調整。これらを含めると、1件あたり1.5〜2倍の時間になります。60分の料金を60分の労働として計算すると、実際の時給は想定の半分近くになります。
- 月に受けられる件数の上限を決める
- 必要な月の売上を出す(経費と生活費から)
- 売上 ÷ 件数で、1件あたりの金額が出る
- 高すぎると感じるなら、件数か売上を見直す
- 最後に、近い条件の同業と比べて違和感がないか確認する
5番目を最初にやると、順番が逆になります。相場は他人の稼働量と経費の結果であって、自分の条件とは無関係です。
参考にするなら、形式と扱う範囲が近い相手だけを見てください。
単発と継続では、比べても意味がありません。
| 作業 | 1件あたりの目安 | 料金への反映 |
|---|---|---|
| セッション | 60〜90分 | 本体 |
| 事前の準備・記録の確認 | 10〜15分 | 含める |
| 終了後の記録 | 10〜20分 | 含める |
| 間の期間の連絡 | 5〜15分 | 含める |
| 日程調整 | 5分前後 | 含める |
継続の場合は総額で見る
1回の金額ではなく、3か月なら3か月分の総額で計算してください。途中の連絡が多い形なら、その時間も入れます。
無料でやる範囲を決める
問い合わせへの返信、間の期間の連絡。どこまでを無料にするか決めておかないと、料金の外で同じ量のやりとりが起きます。
「次回の枠で扱います」と返信の定型に入れておくと、線引きが伝わります。
無償の対応が増えるほど、本来のセッションにかけられる力が減ります。
線を引くことは冷たい対応ではありません。
上げ方の選択肢
▼ 摩擦を小さくする方法
- □ 新規からのみ新料金にする(既存は据え置き)
- □ 改定日を1〜2か月先に設定する
- □ 既存の方に移行期間を設ける
- □ メニューを分けて、新しい枠を新設する
- □ 時間や内容を増やして、実質の単価を上げる
1番目がいちばん摩擦が小さい形です。ただし長く続けると、同じ内容で金額が二重になる状態が固定されます。移行の期限を決めておいてください。
半年から1年を目安に、全員を新料金に揃えてください。
長く二重にすると、説明が難しくなります。
4番目と5番目は値上げに見えにくい形です。扱う範囲や進め方が違うなら、別のメニューとして出せます。
同じ内容で金額だけ上げるより、違いを説明できる形にするほうが伝わります。
時間の差だけだと、安いほうが選ばれます。

伝え方
▼ 値上げの進め方
- 改定日を決める(1〜2か月先)
- 既存の相談者に、改定日と新しい金額を伝える
- 理由は簡潔に(長く説明しない)
- サイトの表示を改定日から切り替える
- 問い合わせが来た場合の返答を用意しておく
3番目が要点です。説明が長いほど、交渉の余地があるように見えます。「◯月から料金を改定します」で足ります。
5番目も用意しておいてください。「なぜ上げるのか」と聞かれたときの返答を一文だけ決めておくと、その場で値下げの相談に発展しません。
「経費と時間を見直した結果です」で足ります。
それ以上の説明は要りません。
納得を得るための説明にしないでください。
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離れる人が出たとき
- 離れた件数と、残った件数を数える
- 売上が下がったか、上がったかを見る
- 空いた枠に新規が入るかを1〜2か月見る
- そのうえで、据え置くか進めるかを判断する
件数だけを見ないでください。件数が2割減っても単価が5割上がっていれば、売上は増えています。
空いた枠は、準備や記録の時間に使えます。1件あたりの中身が濃くなれば、残った相談者の満足度は上がります。
離れた相手を追わないでください。金額が理由なら、追っても同じ結論になります。
戻ってくる人もいます。他を試したうえで戻る場合、金額ではない理由で選ばれています。

表現で気をつけること
コーチングの発信には守るべき線があります。
- 診断名を用いて相手の状態を断定しない
- 治る・改善するといった効果の保証をしない
- 体験談を成果の証明として使わない
- 医療が必要な状態は、医療機関を案内する
- 特定の個人が識別できる事例を書かない
金額を上げるときに、効果を強く見せて正当化しないでください。期待とのずれが大きくなり、継続が続かなくなります。
この記事では平均単価を示しません。分野・形式・扱う範囲で幅が大きく、検証できる統計を持っていないためです。他人の金額より、自分の稼働と経費から出した数字を使ってください。
MIKATAでは、相談を受ける方の掲載を扱っています。料金と進め方を明記して掲載できるようにしているのは、検索から来た人が判断できる情報を必要としているためです。
上げるかどうかで迷っているなら、まず件数の上限を書き出してください。そこから逆算した金額なら、根拠を持って説明できます。
相場に合わせた金額には、その根拠がありません。
根拠のある金額は、伝えるときに迷いません。迷いが消えると、相手に伝わる印象も変わります。計算してから決めるほうが、結果として早く決まります。
迷っている期間そのものが、消耗の原因になっています。1時間で計算は終わります。
紙に3つ書くだけです。月に受けられる件数、必要な売上、月の経費。
この3つが出れば、金額は割り算で決まります。
根拠のある数字なので、迷いも残りません。
あとは改定日を決めるだけです。
1〜2か月先に置けば足ります。


よくある質問(FAQ)
Q1. 実績がないと上げられませんか?
A. 根拠は実績ではなく稼働と経費です。月に受けられる件数と必要売上から逆算してください。
Q2. 既存の方に上げるのが心苦しいです。
A. 新規からのみ新料金にする形が、いちばん摩擦が小さくなります。ただし移行の期限は決めておいてください。
Q3. 値上げの理由をどう説明しますか?
A. 「◯月から料金を改定します」で足ります。説明が長いほど、交渉の余地があるように見えます。
Q4. 離れる人が出たらどうしますか?
A. 件数だけでなく売上で見てください。件数が2割減っても単価が5割上がっていれば売上は増えています。
監修:MIKATA編集部
※本記事は情報提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。心身の不調が続く場合は、医療機関や専門家にご相談ください。
