録音を受けるかどうかは信頼の問題ではなく、どこまでの使い方を許すと決めているかの問題です。条件の作り方を置きます。
セッションの前に録音してもいいかと聞かれることがある。断る理由も思いつかないが、そのまま受けていいのかも分からない。この記事では、受けたときに起きることと、条件の決め方を整理します。
MIKATA編集部に届く相談では、録音の話は断りたいという相談として来ることが少なく、受けたあとの扱いに困ったという形で来ています。
録音を求められる場面

求める理由はいくつかあり、扱いが変わります。
聞き直したいという理由
話が多いセッションほどあとで確かめたいという求め方が出ます。目的がはっきりしていて扱いやすい場面です。
メモが追いつかない
書きながら話すと考えが止まるという理由もあります。この場合は録音以外の方法も提案できます。コーチの側で要点を書いて渡す形でも足りることがあります。
家族や関係者に聞かせたい
本人以外が聞く前提が出た時点で、範囲が変わります。その場で確かめておく必要があります。
途中から言われる
始まったあとに頼まれると考える時間がありません。先に決めていないと流れで受けることになります。
こちらから提案する場合
振り返りのためにこちらから勧めることもあります。この場合は目的も範囲もこちらが決められます。
無断で録っていたと分かる
あとから録っていたと言われることもあります。起きてから考えると対応が難しくなります。
MIKATA編集部に届く相談では、録音の話は断りたいという相談として来ることが少なく、受けたあとの扱いに困ったという形で来ています。
受けたときに起きること
受けることには利点があり、同時に考える点もあります。
本人の理解が進む
その場では流れていった言葉を落ち着いて聞き直せます。次までの時間の使い方が変わります。宿題のある進め方とは相性が良い部分です。
こちらの言い方が残る
問いかけの言葉もそのまま残ります。自分の癖を見直す材料になりますが、言い間違いも残ります。
一部だけ取り出される
長いやり取りの中の一言だけを切り出して聞くと、前後の事情が抜け落ちます。
話しにくさが出る
録られていると分かっていると、こちらも相手も言葉を選ぶようになります。踏み込む場面で影響が出ます。問いを重ねる進め方ほど差が出ます。
広がる先が読めない
音のデータはそのまま送れます。渡した先がどこまで広がるかはこちらでは決められません。
保管の責任が生まれる
こちらも同じものを持つ場合は、置き場所と消す時期を決める必要があります。預かっている状態に近くなります。
個人でコーチとしてセッションを続けている人に録音の扱いを聞いたところ、受ける、条件を付けて受ける、受けないの三つに分かれました。条件を付けている人が最も多く、条件の中身は共有先を本人に限ることと、こちらも同じものを持っておくことの二点に集まりました。
断ったときに起きること

断る選択にも理由があり、伝え方で受け取られ方が変わります。
踏み込んだ話ができる
残らない前提があると、その場でしか言えないことを扱えます。深さのために断る場合があります。
隠していると見られることがある
理由を言わずに断ると、都合の悪いことがあるように見えることがあります。一行の説明で印象が変わります。
相手の記録手段が減る
聞き直せないぶん、別の形で残せるようにする必要があります。断って終わりにしません。
こちらの振り返りも減る
自分のやり方を見直す材料も同時に減ります。別の方法で補う工夫が要ります。
次から聞かれなくなる
一度断ると同じ人からは求められなくなります。理由を伝えていないと気まずさだけが残ります。
方針として言えば軽くなる
その人だから断るのではなく、全員に同じ扱いだと伝えると個人的な拒否に見えなくなります。
条件を付けて受ける決め方

受けるか断るかの二択にしないほうが扱いやすくなります。
聞く人を本人に限る
録ったものを本人だけが聞くという条件を最初に置きます。共有の相談が来たらそのつど決めます。
同じものをこちらも持つ
こちらにも同じ記録があると、あとで内容の話になったときに確かめられます。片方だけが持つ状態を避けます。
公開しない前提を言葉にする
外に出さないことを口頭で一度確かめておきます。書面まで作らなくても言葉にしておくと扱いが変わります。
録音を頼まれたときの手順
- 目的を一つ聞く
- 聞く人を本人に限ると伝える
- こちらも同じものを持つと伝える
- 外に出さない前提を確かめる
- 消す時期をお互いに決める
消す時期を決める
いつまで持つかを決めておくと、残り続けることが避けられます。次の契約が終わるまで、といった区切りで足ります。
録らない回を作れるようにする
毎回ではなく、深い話になる回は録らないと決められるようにします。その場で言えるようにしておきます。
料金や契約に書いておく
申し込みの案内に録音の扱いを書いておくと、その場で考えなくて済みます。
▼ 受ける前の確認
- □ 目的を一つ聞いている
- □ 聞く人を本人に限ると伝えた
- □ こちらも同じものを持つ用意がある
- □ 外に出さない前提を確かめた
- □ 消す時期を決めている
伝え方と保管の整え方
条件が決まっていればその場の説明は短く済みます。
最初の案内に入れる
初回の説明で録音の扱いを一度伝えておくと、途中で頼まれることが減ります。
断るときも一行で
理由を長く説明すると交渉の余地が生まれます。方針として決めていると一行で伝えます。
置き場所を決める
こちらが持つ分の保存場所を決めておきます。個人の端末に散らばると管理できません。
消したことを伝える
決めた時期に消したら一言伝えます。残っているかどうかの心配をこちらから片づけます。
無断録音への構え
あとから録っていたと分かった場合は、責める前に今後の扱いを決め直してください。
例外を作らない
長く続いている人にだけ緩めると、基準が崩れます。同じ扱いのほうが説明が楽になります。
| 対応 | 向いている場面 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 条件を付けて受ける | 聞き直したいという求め方 | 消す時期まで決める |
| その回だけ断る | 深い話を扱う回 | 理由を一行で添える |
| 方針として受けない | 扱う内容が重い仕事 | 代わりの記録手段を用意する |
迷ったときの決め方

その場で決めると毎回ぶれます。
先に決めて後で説明する
頼まれてから考えると断りにくくなります。方針を先に持っておくほうがお互いに楽です。
目的を一つ聞く
何に使うかを一つ聞くだけで扱いが決まります。聞かずに受けると範囲が決まりません。
相談できる同業を持つ
一人で決めていると基準が偏ります。同じ仕事をしている人に聞ける先を持っておいてください。
健康の話が出たとき
体調や心の状態に関わる内容が出た場合は、扱う範囲を超えることがあります。必要な人には医療機関や相談窓口を案内してください。
困った例を残す
受けて困った例を書き残しておくと、次の判断が早くなります。記憶だけでは薄れていきます。
断る選択も説明できる
受けないことは隠しごとではありません。理由を一行で言えるようにしておけば十分です。

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よくある質問(FAQ)
Q1. セッションの録音は受けたほうがいいですか。
A. 受けるか断るかの二択にしないほうが扱いやすくなります。編集部の聞き取りでは、条件を付けて受けている人が最も多く、共有先を本人に限ることとこちらも同じものを持つことの二点に条件が集まりました。
Q2. 受けると何が起きますか。
A. 本人が落ち着いて聞き直せる一方で、長いやり取りの中の一言だけが切り出されると前後の事情が抜け落ちます。録られていると分かると、こちらも相手も言葉を選ぶようになります。
Q3. 断るとどう思われますか。
A. 理由を言わずに断ると、都合の悪いことがあるように見えることがあります。その人だから断るのではなく全員に同じ扱いだと伝えると、個人的な拒否には見えなくなります。
Q4. 条件はどう決めますか。
A. 目的を一つ聞き、聞く人を本人に限ると伝え、こちらも同じものを持ち、外に出さない前提を確かめ、消す時期をお互いに決めます。申し込みの案内に書いておくとその場で考えずに済みます。
監修:MIKATA編集部
※本記事は情報提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。心身の不調が続く場合は、医療機関や専門家にご相談ください。
