メニューは減らすことが目的ではなく、一つずつの役割を決めることが目的です。絞り方を整理します。
要望に応えるうちにメニューが増え、説明も長くなり、自分でもどれを勧めるべきか分からない。個人サロンでメニューが多すぎる状態は、選ぶ側にも選びにくさとして伝わります。この記事では、増えてしまう理由と、役割で分けて絞る手順、残したメニューの見せ方を整理します。
メニューが増えてしまう理由

増えるのは計画のせいではなく、その場の対応を積み上げた結果です。
要望に個別に応えてきた
「この部分だけやってほしい」「短い時間でできるものはあるか」。こうした要望に応えるたびに一つ増えます。断らずに応じてきた結果なので、経緯としては自然です。
削ると売上が減ると感じる
一度作ったメニューを消すと、それを選んでいた人が来なくなる気がします。実際には、近い内容の別のメニューに移ることが多くあります。
違いを説明できないまま並んでいる
内容の近いメニューが二つあると、選ぶ側は違いが分かりません。こちらも説明しにくいため、結局どちらかだけを勧めることになります。使われていないメニューが残ります。
何を売りにしているかが伝わらなくなる
メニューが多いと、そのサロンが何を得意にしているのかが見えません。全部できると書いてあることは、選ぶ側にとって情報になりません。
MIKATA編集部でサロン向けの発信を読み比べたところ、メニューの数が多いことは小さなサロンでは不利に働くと繰り返し書かれていました。理由として挙げられていたのは何を売りにしているのかが伝わらなくなる点と、どの悩みにどれを勧めるのかが曖昧になる点です。数そのものより、役割の曖昧さが問題とされています。
役割で四つに分ける
数を減らす前に、いまあるメニューを役割で分けてください。
| 役割 | 何のためにあるか | 必要な数 |
|---|---|---|
| 主力 | そのサロンの中心。得意な内容 | 1つか2つ |
| 入口 | 初めての人が試しやすい短い枠 | 1つ |
| 追加 | 主力に足す形の短い施術 | 2つまで |
| 継続向け | 通っている人のための枠 | 1つ |
主力が決まっていないサロンが多い
四つのうち、決まっていないことが多いのは主力です。どれを中心に据えるかが決まっていないと、案内の先頭に何を置くかも決まりません。受けた件数が多いもの、続けて来てもらえたものから選んでください。
入口は一つだけにする
初めての人向けの枠を複数用意すると、そこで迷わせることになります。短い時間で試せるものを一つに決め、案内でも一つだけ示してください。選ぶ負担が最も高いのは、初めて申し込む場面です。
継続向けは通う人のために作る
すでに通っている人には、状態を保つための短い枠が必要になります。新規向けと同じメニューしかないと、間隔が空いたときに戻りにくくなります。一つだけ用意しておいてください。
追加は主力に足す形にする
単独のメニューとして並べると数が増えます。「主力に十分足せます」という形にすると、選択肢としては一つのままで対応の幅は保てます。
絞る手順

感覚で削ると、残すべきものを消してしまいます。数字から入ってください。
- 過去三か月のメニュー別の件数を数える
- 件数が少ないものに印をつける
- 印をつけたものを、役割の四つに当てはめる
- 同じ役割で重なっているものを一つに寄せる
- 残ったメニューに、誰に向けたものかを書き添える
件数を数えるところから始める
記憶では、印象に残った施術が多く見えます。実際に数えると、三か月で一度も出ていないメニューがいくつも見つかります。予約の記録が残っていない場合は、今月から数え始めてください。
誰に向けたものかを書き添える
残すと決めたメニューには、どんな状態の人に向けたものかを一行添えてください。書けないメニューは、役割が決まっていないということです。書けるかどうかが、残すかどうかの判断にもなります。
寄せるときは高いほうに残す
近い内容のメニューを一つにするとき、安いほうに寄せると単価が下がります。内容を整えたうえで、高いほうの水準に寄せてください。説明を丁寧にすれば、選ばれ方は変わりません。
編集部で案内文を扱ってきた実感として、選択肢が増えるほど選ばれにくくなります。三つなら比べられますが、十を超えると比較そのものを諦め、いちばん安いものか、いちばん上に書かれているものが選ばれます。増やした分だけ選ばれ方が単純になります。
残したメニューの見せ方

数を絞っても、見せ方が変わらなければ選びにくさは残ります。
▼ メニューの書き方の確認項目
- □ 各メニューの冒頭に「こんな方へ」を書いている
- □ 所要時間と金額を並べて書いている
- □ 主力が先頭に来ている
- □ 初めての人向けがどれか分かる
- □ 追加できるものが分かる
- □ 選び方に迷ったときの案内がある
冒頭に「こんな方へ」を置く
施術の名前や内容から始めると、自分に関係があるかどうかが判断できません。「肩の張りが戻らない方へ」のように相手の状態を先に書くと、選ぶ時間が短くなります。
所要時間と金額を並べる
時間と金額が別の場所に書かれていると、比べるために視線が行き来します。同じ行に並べて書くだけで、選ぶ時間は短くなります。税を含むかどうかも明記してください。
迷ったときの案内を用意する
それでも選べない人はいます。「迷われたらこちらをお選びください」と一つ指定しておくと、決められないまま離れることが減ります。指定するのは主力にしておくと、そのまま得意な施術につながります。
消すときの伝え方

使われていたメニューを消す場合は、伝え方を決めておいてください。
消すときの順番
- そのメニューを選んでいた人を確認する
- 近い内容のどれに移れるかを決める
- 次回の来店時に、口頭で移る先を伝える
- 案内から消すのは、伝え終わったあとにする
先に消してから伝えない
案内から消えていることに本人が気づく形になると、断られたように受け取られます。移る先を決めてから、口頭で伝える順番にしてください。
消す時期を決めておく
いつから受けられなくなるのかを決めて、その日まで受け付ける形にしてください。期限のない終了は、伝え忘れた相手が出ます。月の区切りに合わせると管理が楽になります。
移る先の内容を説明する
「こちらに含まれています」と一言添えると、同じ施術を受けられることが伝わります。金額が変わる場合は、その差の理由も一緒に伝えてください。
絞ったあとに見ること

絞ることが目的ではないので、そのあとの変化を見てください。
単価と件数を並べて見る
メニューを絞ると、件数が減って単価が上がる場合があります。件数だけを見ると失敗に見えますが、掛け合わせた金額が同じか増えていればうまくいっています。
説明にかかる時間を見る
絞った効果は、説明の時間にも出ます。問い合わせや当日の説明が短くなっていれば、選びやすくなった証拠です。この時間は、そのまま施術に回せます。説明が短くなった分だけ、施術できる件数も増やせます。
要望が来たら記録する
絞ったあとに「あのメニューはないのか」と聞かれることがあります。その場で戻すのではなく、回数を記録してください。三か月で三回以上出たら、戻すか主力に含める判断をします。一度の要望で戻すと、また同じように増えていきます。
個人で活動する人向けの集客と運営の話を、毎週お届けしています
よくある質問(FAQ)
Q1. メニューは何個くらいが適切ですか。
A. 数より役割で決めてください。主力1つか2つ、初めての人向け1つ、追加2つまで、継続向け1つが目安です。同じ役割で重なっているものを一つに寄せると、自然に収まります。
Q2. メニューを消すと売上が減りませんか。
A. 近い内容の別のメニューに移ることが多くあります。寄せるときは安いほうではなく、内容を整えたうえで高いほうの水準に残してください。
Q3. どれを主力にすればよいか分かりません。
A. 過去三か月の件数を数え、受けた件数が多いものと、続けて来てもらえたものから選んでください。記憶では印象に残った施術が多く見えるため、必ず数えてください。
Q4. 消したメニューを聞かれたらどうすればよいですか。
A. その場で戻すのではなく、聞かれた回数を記録してください。三か月で三回以上出たら、戻すか主力に含める判断をします。
監修:MIKATA編集部
※本記事は情報提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。心身の不調が続く場合は、医療機関や専門家にご相談ください。
