一年目に見る数字は多くありません。月に一度、決めた項目だけ確かめます。見る項目を整理します。
売上は追いかけているけれど、他に何を見ればいいか分からない。気づいたときには手元にお金が残っていない。この記事では、個人サロンの開業一年目に月に一度確かめる項目と、その見方を整理します。
数字を見られなくなる理由

苦手意識だけが理由ではありません。
項目を決めていない
何を記録するかが決まっていないと、毎回違うものを書きます。月末に見返しても比べられません。
細かく分けすぎている
最初から詳しく分けようとすると、記録に時間がかかり続きません。続かない記録は無いのと同じです。
売上だけを見ている
売上が増えても経費が同じだけ増えていれば手元には残りません。利益を見ていないと気づけません。
記録する時間が無い
施術と準備で一日が終わると、数字を触る時間がどこにもありません。枠に入れていないことが原因です。
見るのが怖い
思ったより少ないと分かるのが怖くて、先延ばしにしてしまいます。見ないことで判断が遅れます。
比べる相手がいない
一人で開業していると、この数字が良いのか悪いのか分かりません。自分の前月と比べる形を持っていないことが多くあります。
開業準備の費用が混ざっている
最初にかかった設備や広告の費用が毎月の経費に混ざっていると、実際より苦しく見えます。一度だけの支出は分けて記録してください。
自分の給与を計算していない
手元に残った額をそのまま生活費にしていると、事業として成り立っているかが分かりません。自分の取り分を先に決めておいてください。
MIKATA編集部に届く個人サロンの相談を読むと、数字についての困りごとは「売上が足りない」より「何を見ればいいか分からない」という形で書かれています。計算の仕方ではなく、項目の決め方で止まっています。
月に一度見る項目
五つで足ります。
| 項目 | 何が分かるか | 見方 |
|---|---|---|
| 売上 | 入ってきた総額 | 前月と比べる |
| 経費 | 出ていった総額 | 固定と変動に分ける |
| 利益 | 手元に残る額 | 売上から経費を引く |
| 客数 | 来た人数 | 新規と再来に分ける |
| 客単価 | 一人あたりの額 | 売上を客数で割る |
利益を必ず出す
売上から経費を引いた額が手元に残るお金です。この一つを毎月出すだけで、続けられるかどうかが分かります。
新規と再来を分ける
同じ客数でも中身が違います。新規ばかりなら集客が回っていて、再来が少ないなら続けてもらえていません。
客単価を計算する
売上を客数で割るだけです。件数を増やすか単価を上げるかの判断がこの数字から始まります。
同じ形で毎月出す
計算の仕方を月ごとに変えると比べられません。一度決めたやり方をそのまま使い続けてください。
記録を残す場所を一つにする
紙と画面に分かれていると見返すのに時間がかかります。どちらかに決めて、そこだけを見る形にしてください。
記録の付け方

道具より続けられる形が大事です。
- 記録する日を月に一日決める
- 五つの項目だけ書く
- 経費は固定と変動に分ける
- 前月の数字を横に並べる
- 気づいたことを一行書き添える
日を決める
月末や月初の決まった日に一時間取ってください。空いた時間にやろうとするとその日は来ません。
固定と変動を分ける
家賃や通信費のように毎月かかるものと、材料のように件数で変わるものを分けます。分けると減らせる場所が見えます。
前月と並べる
一か月分だけ見ても判断できません。横に並べると増えているのか減っているのかが一目で分かります。
気づいたことを書き添える
数字の横に「この月は連休があった」など一行書いておくと、あとで読んだときに理由が分かります。
編集部で記録の付け方を二通り比べました。細かく分けて記録する形と、項目を五つに絞る形です。後者のほうが続き、月末に見返すこともできました。項目が多いほど記録自体が止まるためだと考えられます。
数字から次を決める

見るだけでは変わりません。
▼ 月に一度確認すること
- □ 利益を計算した
- □ 前月と比べた
- □ 新規と再来を分けた
- □ 客単価を出した
- □ 減らせる経費を確かめた
- □ 翌月にやることを一つ決めた
翌月の行動を一つ決める
数字を見たあとに何をするかを一つ決めてください。決めないと記録だけが溜まります。
客数か単価かを選ぶ
売上を増やしたいとき、件数を増やすか単価を上げるかを決めてください。両方を同時に狙うとどちらも動きません。
空いている枠を数える
受けられたはずの枠がどれだけ空いていたかを数えると、件数を増やす余地があるのか、すでに埋まっていて単価しか動かせないのかが分かります。
減らせる経費を見る
使っていない定額のものが残っていることがあります。固定費に分けておくと見つけやすくなります。
再来が少ないときは中身を見る
新規は来ているのに再来が少ない場合、集客ではなく施術後の案内や次回の提案に原因があります。数字がどこを直すかを教えてくれます。
一年目に起きやすいこと

最初の一年は波が大きくなります。
一年目に確かめる順番
- 毎月の数字を残す(比べる材料を作る)
- 三か月ごとに傾向を見る
- 季節による差を把握する
- 生活費を含めて必要な額を計算する
- 足りない場合は単価と件数を見直す
三か月単位で見る
一か月ごとの上下に反応しすぎると疲れます。三か月まとめて見ると傾向が見えます。
開業月からの流れで見る
開業してからの月数を横に並べておくと、何か月目に何が起きたかがそのまま記録になります。翌年の同じ時期の見通しにも使えます。
必要な額を先に決める
生活費を含めて月にいくら必要かを計算してください。目標が無いと足りているのかが判断できません。
季節の差を記録する
忙しい月と落ち着く月があります。一年分の記録が残ると、翌年の予定が立てられます。
足りないときの手を決めておく
必要な額に届かない月が続いたら、単価を上げるか件数を増やすか経費を減らすか。先に順番を決めておくと、その場で慌てません。
続けるための扱い方

完璧な記録より続く記録が役に立ちます。
細かくしない
項目を増やしたくなっても、一年目は五つで十分です。続けられる量にとどめてください。
良くない月も残す
数字が悪い月ほど記録が飛びがちです。そこが抜けると比べられなくなります。
記録が飛んだら空欄で残す
書けなかった月を無かったことにすると、並べたときにずれます。空欄のまま残しておくほうがあとで使えます。
税務の記録とは分ける
経営の判断に使う記録と、申告のための帳簿は目的が違います。判断用は簡単な形で構いません。
人と比べない
立地も業態も違うので、他のサロンの数字と比べても判断できません。自分の前月と比べてください。
平均の数字に振り回されない
よく見かける平均売上は業態も規模も違う数字です。自分の必要額と比べるほうが役に立ちます。
一年分そろってから見えるものがある
最初の数か月は判断材料になりません。溜めることが目的だと考えて続けてください。
数字が悪くても止めない
開業してすぐは利益が出ない月が続きます。そこで記録をやめると、回復したときに何が効いたのか分からなくなります。
相談するときの材料になる
数字が残っていると、誰かに相談するときに具体的な話ができます。感覚で話すより早く進みます。
見る時間を営業時間に含める
数字を触る時間は仕事の一部です。営業時間の外でやろうとすると、疲れている時間に回って続きません。
翌年の目標に使う
一年分そろったら、翌年に必要な件数と単価が計算できます。感覚で決めた目標より届く形になります。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 個人サロンの開業一年目は何の数字を見ればよいですか。
A. 売上、経費、利益、客数、客単価の五つで足ります。項目が多いほど記録自体が止まるため、続けられる量にとどめてください。
Q2. 売上だけ見ていてはいけませんか。
A. 売上が増えても経費が同じだけ増えていれば手元には残りません。売上から経費を引いた利益を毎月出すだけで、続けられるかどうかが分かります。
Q3. いつ記録すればよいですか。
A. 月末か月初の決まった日に一時間取ってください。空いた時間にやろうとすると、その日は来ません。
Q4. 数字を見たあとに何をすればよいですか。
A. 翌月にやることを一つ決めてください。決めないと記録だけが溜まります。売上を増やすなら、件数を増やすか単価を上げるかどちらかに絞ってください。
監修:MIKATA編集部
※本記事は情報提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。心身の不調が続く場合は、医療機関や専門家にご相談ください。
