同席を受けるかどうかは気持ちの問題ではなく、誰の相談かを決める場面です。受け方の順番を置きます。
予約の時間に、相談者が家族と一緒に来る。断るのも受けるのも迷いが残る。この記事では、同席が持ち込まれる背景と、その場での受け方を整理します。
MIKATA編集部に届くカウンセラーからの相談では、この場面について「本人が困っていた」という書き方が出てきます。同席を望んだのが家族の側で、本人は断れないまま来ていることがあります。
同席が持ち込まれる背景

誰が望んでいるかで意味が変わります。
家族が心配している
本人の状態をそばで見ている家族が、状況を伝えたいと考えている場合があります。善意から来ているため、断られると強く反応することがあります。
本人が心細い
初めての面談で一人では不安なとき、本人から同席を求めることがあります。
本人が断れなかった
家族が来ると言ってそのまま来た場合、本人は断れないまま座っています。
説明を代わりにしたい
話すのが苦手な本人に代わって家族が説明しようとすると、場は家族の話す時間になります。
費用を出しているのが家族
支払う側が家族の場合、内容を知りたいという求めが出ることがあります。
こちらが範囲を示していない
誰との面談かを申し込みの時点で決めていないと、当日その場で判断することになります。
その場で断りにくい
目の前に二人がいる状態で片方に外に出てもらうのは、言い方を用意していないと難しい場面です。
予約の名義と来る人が違う
家族が代わりに申し込んでいる場合、本人が何のために来たのかを把握していないことがあります。最初に確かめる場面です。
家族の相談も必要な場合がある
家族自身が支援を必要としていることもあります。その場合は別の枠の話になります。
誰の相談かを分ける

同席の可否より先に、誰が相談者かを決めます。
本人の相談である場合
本人が話す場として始まった以上、その枠は本人のものです。同席するかどうかも本人が決めます。
家族の相談である場合
家族が困っているなら、家族自身の面談として別に受ける形が成り立ちます。
| 求められていること | 誰の相談か | 受け方 |
|---|---|---|
| 家族が状況を伝えたい | 本人 | 先に情報だけ聞き、面談は本人と |
| 本人が心細い | 本人 | 同席を受けてよい |
| 本人が断れなかった | 本人 | 本人だけと短く話す |
| 家族が本人を変えたい | 家族 | 家族の枠として案内する |
| 家族自身がつらい | 家族 | 別の枠を案内する |
| 費用を出す家族が内容を知りたい | 本人 | 守秘の範囲を伝える |
本人だけと短く話す
その場で判断せず、本人だけの時間を数分作ると、誰が望んでいるのかが分かります。
未成年かどうかで扱いが変わる
本人が未成年の場合、保護者との関わり方に別の決まりが要ります。始める前に形を決めておきます。
家族を別の枠に案内する
断るのではなく別の形を出すと、家族の側も受け取りやすくなります。心配そのものを否定しない形になります。
その場での受け方の手順

否定から入らず、順番を守ります。
編集部で、同席が起きた場面の進め方を書き出して比べました。その場で判断した流れと、本人だけと短く話してから決めた流れを並べると、あとの面談が続いたのは本人に先に確かめた側でした。同席の可否そのものより、誰の相談かを確かめる一手が効いていました。
家族が同席してきたときの手順
- まず二人に、この場の進め方を短く伝える
- 本人だけと数分話す時間を作る
- 同席を望んでいるのが誰かを確かめる
- 本人が望むなら同席を受ける
- 望まないなら、家族には待ってもらう形を伝える
- 家族に伝えたいことがあるなら、別の機会を案内する
進め方を先に伝える
この場は本人と話す時間です、と最初に伝えておくと、あとで外に出てもらうときの説明が短く済みます。
本人だけの時間を作る
家族の前では言えないことがあります。数分でも一人で話す時間があると、本当の希望が出てきます。長く取る必要はなく、数分で足ります。
断る形にしない
家族を追い出す形ではなく、順番として先に本人と話す、という伝え方にします。
家族の話も受け取る
伝えたいことがあるなら短く聞きます。聞いたうえで面談は本人と行う、という形に分けます。
待つ場所を用意しておく
外で待ってもらう形にするなら、座れる場所があるかどうかで伝えやすさが変わります。無いなら時間を区切って伝えます。
守秘の範囲を先に伝える
何を家族に伝え何を伝えないかをその場で示しておくと、あとから聞かれたときに揺れません。
先に決めておく

その場で考えないための準備をします。
▼ 始める前のチェック
- □ 誰との面談かを申し込みに書いてある
- □ 同席の可否を決めてある
- □ 本人だけと話す時間の作り方を決めてある
- □ 家族向けの枠があるか決めてある
- □ 守秘の範囲を説明できる
- □ 断るときの言い方を用意してある
申し込みに書いておく
同席についての決まりを先に渡しておくと、当日その場面が起きにくくなります。
家族向けの枠を持つかを決める
受けるなら条件と料金を決めておきます。受けないなら案内できる先を用意しておきます。どちらにしても先に決めておく部分です。
起きた回数を記録する
どんな相談で同席が起きるかを残すと、案内の直すべき場所が見えます。
同席した回の記録を分ける
誰がいた回かを記録に書いておくと、話の内容の違いがあとから読めます。
そのあとの経過を残す
同席を受けた回と受けなかった回で面談が続いたかを並べておきます。
かえって難しくなる受け方

その場を収めるとあとが続きません。
確かめずに同席を受ける
本人が望んでいない場合、その回は話せない時間になります。次から来なくなることもあります。
その場で強く断る
家族は心配して来ています。頭から断ると、本人が家に帰ってから責められることがあります。
家族の話を中心にする
説明が得意な家族が話すと、本人の言葉が出てこないまま時間が終わります。
その場で家族に内容を伝える
本人の同意なく話した内容を伝えると、そのあと本人は話せなくなります。
次回以降も曖昧にする
今回だけ受けた形にすると、次からも同じことが起きます。決めた形をそのとき伝えます。
本人の前で家族を注意する
家族の関わり方をその場で指摘すると、本人が板挟みになります。伝えるなら別の場面にします。
家族を敵として扱う
家族の心配自体は本人にとって支えになることもあります。役割を分けるだけで足ります。味方として扱いながら枠は保てます。
範囲を超える相談への向き合い方
同席の場面の背景に別の状態があることがあります。
生活に支障が出ているとき
眠れない、働けない、強い落ち込みが続いている。そうした話が出たときは、個人で抱えず、医療機関や自治体の相談窓口を案内してください。
本人の安全に関わるとき
家族が同席を求める背景に危機的な状況がある場合、受けるかどうかの判断より先につなぐ先を確かめます。
家族にも支援が要ることがある
支える側が消耗していることがあります。その場合は家族が使える窓口を案内してください。
つなぐ先を先に調べておく
家族向けの窓口や地域の相談先を手元に用意しておくと、その場で具体的に案内できます。
自分の相談先を持っておく
判断に迷う場面が続くと一人では抱えきれません。同業の場や利害のない相手に話せる場所を持っておいてください。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 相談者が家族を連れてきたら同席を受けるべきですか。
A. 受けるかどうかより先に、誰の相談かを決めてください。本人が話す場として始まった以上その枠は本人のもので、同席するかどうかも本人が決めます。
Q2. その場でどう進めればいいですか。
A. この場は本人と話す時間です、と最初に伝えたうえで、本人だけと数分話す時間を作ってください。編集部で比べたところ、あとの面談が続いたのは本人に先に確かめた側でした。
Q3. 家族を断ると角が立ちませんか。
A. 追い出す形ではなく、順番として先に本人と話す、という伝え方にしてください。伝えたいことがあるなら短く聞いたうえで、面談は本人と行う形に分けます。
Q4. 家族から内容を聞かれたときは。
A. 本人の同意なく伝えると、そのあと本人は話せなくなります。何を伝え何を伝えないかという守秘の範囲を、その場で示しておくと揺れません。
監修:MIKATA編集部
※本記事は情報提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。心身の不調が続く場合は、医療機関や専門家にご相談ください。
