会議で発言できないのは度胸の問題ではなく、その場で考えているからです。前もって1つ用意すれば、発言の回数は変わります。
話す内容を考えているうちに話題が進み、結局何も言えないまま終わる。会議で発言できないときに起きているのは、この時間切れです。発言の量は、性格よりも準備の有無で決まります。この記事では、前もって用意する対策、出すタイミング、言い方の型、そしてオンライン会議で必要になる別の対策までを整理します。
発言できない原因は、その場で考えていること

会議中に意見を組み立てようとすると、考えがまとまる頃には話題が次に移っています。発言できない人の多くは、話す勇気ではなく考える時間で不利になっています。
完成した意見を出そうとしている
整った意見を出さなければいけないと考えると、口に出すまでの基準が高くなります。会議で求められているのは完成品ではなく、検討の材料です。疑問や確認も、材料として十分に機能します。
発言の順番が遅いほど言いにくくなる
時間が進むほど、話の流れが固まって割り込みにくくなります。後半から入ろうとすると、内容だけでなく入るきっかけまで考えることになります。
否定されることを想定しすぎている
反論されたらどうするかを先に考えると、その想定への備えに時間を使います。質問の形にすれば、反論の対象になりにくく、出す負担も下がります。
MIKATA編集部の定例で、参加者全員が「事前に一つだけ発言を用意する」形を四週間試しました。内容は質問でも確認でもよく、紙に一行書いておくだけという条件です。発言の総量はほぼ変わりませんでしたが、一度も発言しない人がいる回がなくなりました。用意した一つを出したあとは、二つ目以降が出やすくなるという反応も複数ありました。
会議前に1つだけ用意する
準備するのは意見ではなく、その場で出せる一行です。四つの型のどれかに当てはめれば、議題を読んだ段階で作れます。
| 型 | 作り方 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 確認の型 | 資料の数字や前提を一つ選んで聞く | 序盤 |
| 範囲の型 | 決める範囲がどこまでかを確認する | 序盤 |
| 条件の型 | 実行するときの条件を一つ挙げる | 中盤 |
| 整理の型 | 出た意見を二つに分けて言い直す | 終盤 |
議題を読んだ時点で書いておく
会議が始まってから探すと、またその場で考えることになります。資料が配られた時点で一行書き、手元に置いておいてください。
四つの型は議題の性質で選ぶ
報告が中心の会議なら確認の型、何かを決める会議なら条件の型が使えます。議題の一覧を見て、どの型が合いそうかを先に選んでおくと、会議中に迷わずに済みます。
内容の良し悪しは考えない
用意する段階で質を高めようとすると、準備そのものが重くなります。出せる一行があることが目的なので、確認の質問で構いません。
出すタイミングは決まっている

用意した一行をいつ出すかも、先に決めておくと迷いません。
- 議題が読み上げられた直後(前提の確認が自然に出せる)
- 誰かの発言が終わって一拍空いたとき
- 進行役が「他にありますか」と聞いたとき
- 自分の担当分野の話題に入ったとき
- 決定の直前(条件を一つ確認する)
早い段階で一度出す
最初の十分以内に一度発言しておくと、そのあとの発言の負担が下がります。何も言わないまま時間が過ぎるほど、話し始めるための助走が長くなります。
進行役の問いかけは、用意した一行を出す合図
「他にありますか」と聞かれる場面は、発言が最も歓迎されるタイミングです。沈黙が続くことを進行役は避けたいので、確認の質問でも十分に役立ちます。この問いかけが来たら出す、と決めておくだけでも、一度も発言しない回はなくなります。
一拍空いた瞬間を狙う
発言が終わった直後の一拍が、最も入りやすい場所です。その瞬間に備えて、用意した一行は手元で見える状態にしておいてください。
言い方の型を3つ持っておく

何を言うかが決まっても、切り出し方で詰まることがあります。型を持っておくと、書き出しを考えずに済みます。
▼ 発言前に確認する項目
- □ 用意した一行が手元に見えている
- □ 誰に向けて言うかを決めている
- □ 確認なのか、意見なのか、提案なのかを自分で分かっている
- □ 長さの目安を決めている(三十秒程度)
- □ 言い終わりの一言を決めている
確認の型:「前提を一つ確認させてください」
この切り出しは、反論の形にならないため出しやすく、会議の役にも立ちます。確認の内容は資料に書かれた数字や範囲で構いません。
同意に足す型:「その方向で、条件を一つ足すなら」
他の人の意見に乗る形なので、対立になりません。同意を示したうえで一つ足すだけで、発言としては十分に成立します。
整理の型:「今出ているのは二つに分けられそうです」
議論が広がったときに、内容を判断せずに整理だけする発言です。新しい意見を出す必要がないため、終盤でも使えます。
オンライン会議は、別の対策が要る

オンライン会議では、対面と同じやり方が通用しません。発言しにくさの原因が、内容ではなく合図の届かなさに移るためです。
話し始めの合図が届かない
対面なら、身を乗り出す、息を吸うといった動きでこれから話すことが伝わります。画面越しではこの合図がほぼ届かず、発言しようとした瞬間に他の人と重なります。重なって譲ることが続くと、そのまま最後まで発言せずに終わります。
声を出す前に、文字で合図を出す
オンライン会議では、話す前に文字の欄へ「一点確認です」と短く送っておくと、進行役が拾ってくれます。声で割り込む必要がなくなり、重なりも起きません。
画面に映る自分は見ない
自分の映像が見えていると、表情や見え方に注意が向いて発言に集中できません。自分の映像は隠す設定にするか、その部分を視界から外してください。
オンライン会議で発言するまでの順番
- 議題を読んだ時点で、一行を手元に用意する
- 話したい場面が来たら、まず文字の欄に短く送る
- 拾われたら声で話す。拾われなければ、次の一拍で声を出す
- 重なったら譲らず「先にどうぞ」と言ってから、続けて自分が話す
編集部でオンラインの打ち合わせを重ねて分かったのは、話し始めの合図が対面より届きにくいという点です。対面なら身を乗り出す、息を吸うといった動きで「これから話す」が伝わりますが、画面越しではほぼ伝わりません。結果として、発言しようとした瞬間に他の人と重なり、譲ったまま機会を失う形が繰り返されていました。
発言量そのものを評価軸にしない

発言が多いことが良い会議とは限りません。自分の目的に合わせて、どこまで出すかを決めてください。
回数ではなく、必要な場面で出せたかを見る
その日の議題のうち、自分に関係する範囲で一度発言できていれば足ります。他の議題で黙っていたことを問題として数えないでください。
発言以外の関わり方も評価に入れる
議事の記録を取る、終了後に補足を送る、事前に資料へ質問を書いておく。会議への貢献は発言だけではありません。口頭が苦手なら、文字で出す経路を確保しておくほうが確実です。
記録に残る形にしておく
会議で言えなかった内容は、終了後に短く送っておけば残ります。「先ほどの件で一点だけ」と添えて数行送るだけで、検討の材料としては扱われます。その場で出せなかったことを、そのまま消してしまう必要はありません。
職場の進め方に原因がある場合もある
特定の人だけが話し続ける、反対意見が出ると空気が悪くなる。こうした場では、個人の準備だけでは発言は増えません。進行役に、順番に意見を聞く形を提案してみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 会議で発言できないのは性格の問題でしょうか。
A. 多くの場合は準備の有無です。その場で意見を組み立てようとすると、まとまる頃には話題が移っています。議題を読んだ時点で一行だけ用意しておくと、発言の回数は変わります。
Q2. 何を発言すればよいか分かりません。
A. 確認の質問で構いません。資料の数字や前提を一つ選んで聞く形は、序盤に出しやすく、反論の対象にもなりにくい発言です。意見である必要はありません。
Q3. オンライン会議だと、さらに発言しにくくなります。
A. 話し始めの合図が画面越しでは届かないためです。声で割り込む前に、文字の欄へ「一点確認です」と短く送っておくと、進行役が拾ってくれます。
Q4. 発言のタイミングがつかめません。
A. 誰かの発言が終わった直後の一拍が最も入りやすい場所です。また、最初の十分以内に一度出しておくと、そのあとの発言の負担が下がります。
監修:MIKATA編集部
※本記事は情報提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。心身の不調が続く場合は、医療機関や専門家にご相談ください。
