モヤモヤが言葉にならないのは語彙が足りないからではなく、事実と感情と要望が混ざっているからです。3列に分ける整理法を置きます。
何かが引っかかっているのに、それが何なのか言えない。人に話そうとしてもうまく説明できず、そのまま抱えている。この記事では、言葉にならない仕組みと、3列に分ける整理法を整理します。
MIKATA編集部に届く相談では、この話題は特定の出来事としてではなく、何が嫌なのか自分でも分からないという形で書かれています。長い文章のわりに結論が書かれていないこともあります。
言葉にならない仕組み

語彙ではなく、三つのものが混ざっています。
事実と感情が混ざっている
何が起きたかとどう感じたかを一緒に扱うと、説明がまとまりません。起きたことを言おうとして感情が出てくるため、話しているうちに何を言いたかったかが分からなくなります。分ければどちらも言えます。
要望が言葉になっていない
編集部の記録では、事実と感情は書けても、どうしてほしかったかの列が空のままだった回が半数を超えていました。要望が無いまま話すと聞く側も受け取り方が分かりません。返しようがありません。
大きい言葉でまとめてしまう
つらい、しんどい、という言葉でまとめると中身が見えません。同じ言葉が違う状況に使われます。中身は毎回違います。
頭の中だけで扱っている
書き出さずに考えていると、同じところを何度も回ります。順番がつかないまま時間が過ぎます。紙に出すと止まります。
説明できないから話さない
うまく言えないと分かると人に話すのをやめます。一人で抱える量が増えていきます。説明できないことと話せないことは別です。
小さいことだと思ってしまう
大きな出来事ではないと感じると、扱う対象から外します。残ったまま積み上がります。大きさは関係ありません。
MIKATA編集部に届く相談では、この話題は特定の出来事としてではなく、何が嫌なのか自分でも分からないという形で書かれています。長い文章のわりに結論が書かれていないこともあります。
そのままにすると起きること
時間が経つほど扱いにくくなります。
同じことを考え続ける
結論が出ないまま頭の中で繰り返します。夜に長くなり、翌日の疲れが残ります。考える時間だけが増えます。
別の場面で出てしまう
溜めたものは関係のない場面で出ます。相手には急に見えるため驚かせます。溜めるほど強く出ます。
相手に伝わらない
混ざったまま話すと要点が見えません。聞いた側もどう返せばよいか分かりません。話した側も残ります。
我慢が続く
言えないまま同じ状況が繰り返されます。相手は気づいていません。伝えるまで変わりません。
自分を責める
説明もできない自分が駄目だという見方になります。責めても言葉にはなりません。分け方の問題です。
体に出る
眠りが浅い、食欲が落ちる。気づきにくい形で溜まっていきます。出てから気づきます。
編集部で、モヤモヤした場面を四週間記録しました。そのまま書き出した回と、事実と感情と要望の三つに分けて書いた回を比べると、後者のほうがその日のうちに落ち着いた回数が多くなりました。
3列に分ける整理法

そのまま書くのをやめて、三つに分けます。
紙を三列に分ける
左から事実、感情、要望。三つの列を作ります。分けて書いた回のほうがその日のうちに落ち着いた回数が多くなりました。紙とペンで足ります。
事実だけを左に書く
誰がいつ何をしたかだけを書きます。解釈は入れないでください。短いほどはっきりします。
感情を真ん中に書く
そのときどう感じたかを書きます。大きい言葉ではなく具体的な言葉を探してください。複数あって構いません。
3列に分ける整理法
- 紙を事実・感情・要望の三列に分ける
- 誰がいつ何をしたかだけを左に書く
- そのとき感じたことを真ん中に書く
- どうしてほしかったかを右に書く
- 右の列だけを相手に伝える
要望を右に書く
どうしてほしかったかを書きます。ここがいちばん空きやすい列です。空いたままなら相手にも伝わりません。一行で十分です。
右の列だけを伝える
人に話すときは右の列から出します。事実と感情は聞かれてから足せます。順番を変えるだけです。
全部埋まらなくてよい
三つそろわない日もあります。分けて書いただけで見え方が変わります。空欄も情報です。
場面ごとの書き分け

場面によって埋まりにくい列が違います。
職場の出来事
事実は書きやすく、要望が書きにくい場面です。業務の形に言い換えると出てきます。気持ちの話にしなくて済みます。
家族との出来事
感情の列が長くなります。事実の列を先に埋めると落ち着きます。順番を守ってください。
友人との出来事
要望を書くと重く見えると感じます。書くだけなら誰にも見せません。伝えるかはあとで決めます。
相手がいない場合
状況そのものへのモヤモヤなら、要望の列に自分がどうしたいかを書きます。相手がいなくても使えます。
過去の出来事
いまさら言えない場合でも書いて構いません。残っている分だけ扱う価値があります。時期は問いません。
理由が分からないとき
事実の列だけ埋めてください。並べると共通点が見えてきます。三回分で十分です。
| 書き方 | 内容 | 落ち着き方 |
|---|---|---|
| そのまま書き出す | 思ったことを続けて書く | その日に落ち着きにくい |
| 三列に分ける | 事実・感情・要望に分ける | その日に落ち着いた回が多い |
| 要望だけ伝える | 右の列から人に話す | 相手が受け取りやすい |
続けるための置き方
一度書いたあとの扱い方です。
短く書く
長く書くと続きません。各列一行で十分です。続くほうが大事です。
見返す日を決める
一週間後に見返すと、同じ相手や同じ場面が並んでいることが分かります。扱う相手が絞れます。
伝えるものを選ぶ
書いた要望のうち、実際に伝えるものを一つ選びます。全部は要りません。一つで変わることがあります。
書けない日があってよい
疲れている日は書けません。その日は飛ばして構いません。翌日戻れば続いています。
人に見せなくてよい
整理のための紙です。誰にも見せる必要はありません。人に見せる前提だと書けません。
消してよい
書いたあとに破って構いません。残すことが目的ではありません。分けた時点で済んでいます。
▼ 三列に分けるときの確認
- □ 紙を事実・感情・要望の三列に分けた
- □ 左には解釈を入れず事実だけ書いた
- □ 感情は具体的な言葉で書いた
- □ 要望の列を空のままにしていない
- □ 人に話すときは右の列から出している
それでも整理できないときは

書いても収まらない場合があります。
生活に影響が出ているとき
眠れない日が続く、食事が取れない、仕事や家事が手につかない。そうした状態が続くときは、整理法だけで抱えず医療機関や相談窓口を使ってください。
書くこと自体がつらいとき
思い出すだけで強くつらくなる出来事は、一人で扱わないでください。専門家につないでください。
伝えても変わらないとき
要望を伝えても何も変わらない状態が続く場合は、伝え方ではなく関係のほうを見てください。
責める言葉が強いとき
言葉にできない自分を責める言葉がきついときは、その言葉のほうを先に扱ってください。
窓口を先に調べておく
自治体の相談窓口やオンラインのカウンセリングは、落ち着いている日に調べておくと使いやすくなります。
言葉にしなくてよい
すべてを説明できるようになる必要はありません。扱える形になれば十分です。
同じ記録で、三列のどこが埋まらなかったかも書き出しました。事実と感情は書けても、どうしてほしかったかの列が空のままだった回が半数を超えていました。

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よくある質問(FAQ)
Q1. モヤモヤを言葉にできないのはなぜですか。
A. 何が起きたかとどう感じたかを一緒に扱うと説明がまとまりません。起きたことを言おうとして感情が出てくるため、話しているうちに何を言いたかったかが分からなくなります。
Q2. どう書けば整理できますか。
A. 編集部で四週間記録したところ、そのまま書き出した回より、事実と感情と要望の三つに分けて書いた回のほうが、その日のうちに落ち着いた回数が多くなりました。
Q3. どの列が書きにくいですか。
A. 同じ記録では、事実と感情は書けても、どうしてほしかったかの列が空のままだった回が半数を超えていました。
Q4. 人に話すときはどう伝えればよいですか。
A. 右の列、つまりどうしてほしかったかから出してください。事実と感情は聞かれてから足せます。
監修:MIKATA編集部
※本記事は情報提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。心身の不調が続く場合は、医療機関や専門家にご相談ください。
