専門分野は好きなことから選ぶより、自分が動ける場面から決めるほうが続きます。材料は経験・相談の傾向・力の出る場面の3つ。
何でも扱えると書いてしまい、結果として誰にも届かない。絞れない状態は、決め方の材料が足りていないだけです。
MIKATA編集部が個人で活動する方の相談を整理すると、絞れない理由は「機会を失うのが怖い」でした。しかし絞っていないページには問い合わせが来ません。実際に減るのは、対象外の人からの通過だけです。絞ることで失う機会は、想像より小さい。
決める材料は3つ
- 経験:自分が通ってきた場面
- 相談の傾向:実際に相談された内容
- 力の出る場面:扱っていて疲れない領域
分野で書くと、誰の話か分かりません。
場面まで下ろすほど、届く相手が定まります。
届く数は減っても、精度は上がります。
必要なのは、当てはまる人の閲覧です。
対象外の人に届いても、申し込みにはなりません。
そこを見誤ると、数だけを追うことになります。
2番目が最も確実です。すでに受けている相談を数えれば、何を求められているかが分かります。
需要のない分野を選ぶと、どれだけ発信しても申し込みが来ません。
需要は、来た相談の数で確認できます。
数えていなければ、まず数えてください。
記録がないと、印象で判断することになります。
直近の相談だけが記憶に残るためです。
数えると、印象とのずれが見えます。
そのずれが、判断を狂わせています。
| 決め方 | 起きること |
|---|---|
| 好きな分野で決める | 相談が来ないことがある |
| 流行の分野で決める | 扱いきれず消耗する |
| 経験した場面で決める | 説明に説得力が出る |
| 受けた相談から決める | 需要と一致する |
好きと得意は違う
関心があっても、扱うと疲れる領域があります。3件受けて疲れが残るなら、そこは専門にしないほうが続きます。
疲れる領域を専門にすると、件数が増えるほど消耗します。長く続けられるかどうかも、判断材料に入れてください。
扱う内容によって、疲れ方はまったく違います。
疲れる領域は、件数が増えると続きません。
最初は分からなくても、3件受ければ見えてきます。
疲れの残り方で判断できます。
経験は資格より強い
自分が通ってきた場面は、説明に具体性が出ます。「同じ状況にいた」という事実は、資格の一覧より伝わることがあります。
ただし、自分の経験をそのまま当てはめないでください。同じ場面でも、感じ方は人によって違います。
経験は入口であって、答えではありません。
扱うのは、相手の場面です。
自分の経験は、理解の助けとして使ってください。

絞ることで何が変わるか
分野で絞ろうとすると決まりません。「キャリア」「人間関係」では広すぎるためです。決めやすいのは場面です。「復職前の不安」「昇進後の役割の変化」。場面まで絞ると、その状況にいる人が自分の話として読みます。
- 書く内容が決まる(場面が具体的になる)
- 料金の説明がしやすくなる
- 扱わない範囲を伝えられる
- 紹介されやすくなる(何の人か伝わる)
- 自分の学ぶ範囲も絞れる
4番目が見落とされます。「何でもやる人」は紹介しにくい。「復職前の不安を扱う人」なら、該当する人がいたときに思い出されます。
紹介は、思い出されることから始まります。
何の人かが一言で言える状態にしてください。
紹介する側も、そのほうが伝えやすくなります。
絞っても他の相談は受けられる
看板を絞ることと、実際に受ける範囲を狭めることは別です。来た相談が扱えるなら受けて構いません。
扱わない範囲も書く
絞るときは、扱わない範囲も一緒に書いてください。「医療が必要な状態は扱いません」「法律の判断は扱いません」。境界がはっきりしているほうが信頼されます。
何でも扱えると書くより、選ばれやすくなります。
決められないときの手順
▼ 紙に書き出すこと
- □ これまでに受けた相談を、場面ごとに分ける
- □ その中で、繰り返し来ているものに印をつける
- □ 扱っていて疲れなかったものに印をつける
- □ 自分が経験した場面に印をつける
- □ 印が2つ以上ついたものを選ぶ
印が重なるところが専門分野です。考えて決めるのではなく、手元の材料から見つける作業になります。
考える時間を増やしても、材料は増えません。
書き出す作業のほうが早く進みます。
30分あれば終わります。
その30分で、止まっていた状態が動きます。
費用もかかりません。
受けた件数が少ない場合は、1番目と4番目だけで決めて構いません。受けながら、傾向に合わせて直せます。
最初から正解を選ぶ必要はありません。書いてみて、来た相談を見て、直す。この順番のほうが早く決まります。

書き方に落とす
▼ 一文にする
- 対象を書く(立場・年代)
- 場面を足す(どんなときか)
- 扱うことを1つ足す
- 20〜30字にまとめる
- サイトとプロフィールの1行目に置く
凝った表現にしないでください。「復職前の不安を、3か月で整理します」で足ります。分かりやすさが優先です。
読んだ瞬間に何の人か分かる形が理想です。
そこまで書けると、比較されにくくなります。
同じ一文を、サイト・掲載先・SNSのプロフィールで揃えてください。場所によって違う言葉を使うと、何の人か伝わりにくくなります。
名刺やカードにも、同じ一文を入れてください。
集客や発信の整え方についてLINEで配信しています。
あとから変えられる
一度決めた分野を、一生続ける必要はありません。
- 3か月ごとに、来た相談の傾向を見る
- 想定と違う相談が多ければ、書き方を寄せる
- 扱っていて疲れる領域が分かったら、外す
- 変えたら、サイトと掲載先を揃え直す
変えることは方向転換ではなく調整です。実際に来た相談が、いちばん確かな材料になります。
想定と現実がずれることは普通にあります。
ずれに気づいたら、書き方を寄せてください。
この記事では分野ごとの需要や単価を示しません。地域と時期で幅が大きく、検証できる統計を持っていないためです。
他人の分野を真似するより、自分に来ている相談を見てください。

表現で気をつけること
コーチングの発信には守るべき線があります。
- 診断名を用いて相手の状態を断定しない
- 治る・改善するといった効果の保証をしない
- 体験談を成果の証明として使わない
- 医療が必要な状態は、医療機関を案内する
- 特定の個人が識別できる事例を書かない
専門分野を強く打ち出すときほど、効果の保証に近づきやすくなります。扱う場面の具体性で示してください。
「必ず変わります」より「3か月で判断基準を作ります」。
MIKATAでは、相談を受ける方の掲載を扱っています。扱う対象と場面を明記して掲載できるようにしているのは、検索から来た人が自分向けか判断できる必要があるためです。
絞れないまま止まっているなら、受けた相談を書き出すところから始めてください。材料は手元にあります。
受けた件数が少なくても、自分が経験した場面は必ずあります。そこから始めれば足ります。
専門分野は、探して見つけるものではありません。手元の材料を並べて、重なるところを選ぶだけです。
完璧な分野を探そうとすると、いつまでも決まりません。決めてから、受けながら調整してください。
動き出すほうが、材料も早く集まります。止まっているあいだは、何も増えません。
看板を1つ決めて、出してみてください。反応を見てから直せます。
出さないままでは、反応そのものが得られません。決めることより、出すことのほうが先です。
3か月後に、来た相談を見て直してください。
その繰り返しで、輪郭がはっきりしていきます。
最初から完成させる必要はありません。


よくある質問(FAQ)
Q1. 専門分野が決まりません。
A. 経験・受けた相談の傾向・扱っていて疲れない領域の3つを書き出して、重なるところを選んでください。考えて決める作業ではありません。
Q2. 絞ると機会を失いませんか?
A. 減るのは対象外の人からの通過だけです。絞られていないページには、そもそも問い合わせが来ません。
Q3. 絞った分野以外の相談は受けられませんか?
A. 看板を絞ることと、受ける範囲を狭めることは別です。来た相談が扱えるなら受けて構いません。
Q4. あとから変えてもいいですか?
A. 3か月ごとに来た相談の傾向を見て、寄せていってください。実際に来た相談が、いちばん確かな材料です。
監修:MIKATA編集部
※本記事は情報提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。心身の不調が続く場合は、医療機関や専門家にご相談ください。
