駅から遠いことは不利ですが、来る理由が明確なら通う人はいます。理由の作り方と伝え方を整理します。
駅から歩いて十五分、看板も出せない住宅街。立地が悪い個人サロンでは、通りがかりの客がまったく来ません。その代わり、来る人は最初から来るつもりで来ています。この記事では、立地の不利が働く場面と、わざわざ来る理由の作り方、たどり着けるようにする案内を整理します。
立地の不利が働く場面

立地が悪いことが常に不利に働くわけではありません。どの場面で効くのかを分けてください。
通りがかりの来店は期待できない
人通りのない場所では、看板を見て入る人はいません。この経路が使えないぶん、見つけてもらう手段を自分で用意する必要があります。
初めての人ほど離れやすい
すでに通っている人は距離を前提にしています。離れやすいのは初回の人で、遠いという情報が他の判断材料より先に目に入ると申し込みません。
たどり着けないと当日に取りやめになる
道が分かりにくい場所では、予約が入っても当日に迷ってそのまま取りやめになることがあります。距離より、分かりにくさのほうが直接的な損失になります。
一方で、落ち着きは強みになる
人目につかない場所は、顔を合わせたくない相談や静かに過ごしたい人にとっては条件が合います。同じ立地が、相手によって不利にも有利にもなります。
MIKATA編集部で個人サロンの発信を読み比べたところ、立地の不利について書かれた記事の多くが「わざわざ来る理由が必要」という点で一致していました。人通りの少なさを特別感や落ち着きとして扱う考え方も複数の書き手が挙げています。立地を変えずに扱いを変える方向です。
わざわざ来る理由を四つに分ける
距離を越えてもらうには、理由が必要です。四つのどれかを用意してください。
| 理由 | 内容 | 作るのに要るもの |
|---|---|---|
| 扱う悩みが合う | 特定の悩みを専門に扱っている | 扱う内容を絞る |
| 人で選ばれる | 施術者の考え方に合う | 考え方を書いて残す |
| 落ち着ける | 人目につかない、静かに受けられる | 条件として明示する |
| 時間が合う | 早朝や夜間など他が空いていない枠 | 枠を用意する |
扱う悩みを絞るのが最も効く
四つのうち、距離を越える力がいちばん強いのは扱う悩みの一致です。自分の悩みを専門に扱っている場所が近くになければ、多少遠くても選ばれます。「何でもできます」と書くと、この理由は生まれません。
人で選ばれる形は時間がかかる
施術者の考え方に共感して通う形は、距離をほとんど問題にしません。ただし作るには書いたものや話したものを積み上げる時間が要ります。扱う悩みを絞ることと並行して、長い目で進めてください。
落ち着きは書かないと伝わらない
人目につかないことは、書かなければ単に不便な場所です。他の人と顔を合わせないこと、静かに受けられることを条件として明記して初めて、それを求める人に届きます。
時間の条件は見落とされやすい
早朝や夜間、平日の日中。周辺の店が空いていない時間帯に枠があると、それ自体が来る理由になります。設備の追加なしで作れる条件です。
たどり着けるようにする

来る理由ができても、たどり着けなければ意味がありません。
- 最寄りからの所要時間を分数で書く
- 目印になる建物を二つ以上挙げる
- 曲がる場所の写真を載せる
- 到着したらどうするかを書く(呼び鈴、連絡)
- 駐車や駐輪ができるかを書く
曲がる場所の写真がいちばん効く
文字の道順だけでは、住宅街では迷います。曲がる角の写真を二枚か三枚載せておくと、迷う人がほとんどいなくなります。撮るのは一度で済みます。
到着後の動きを書く
住宅街の個人サロンでは、着いてから何をすればよいのかが分かりません。呼び鈴を押すのか、着いたら連絡するのか。書いていないと、扉の前で待たせることになります。
車で来られるかを明記する
駅から遠い場所では、車で来る人が増えます。駐車できるのか、近くに有料の場所があるのか。書かれていないと、その時点で候補から外れます。
編集部で予約の導線を見てきた実感として、立地で離れる人と、情報不足で離れる人は分けて考える必要があります。遠いから来ないのではなく、遠いうえに何をしてもらえるか分からないから来ない。距離は変えられませんが、分からなさは今日から埋められます。
案内で先に伝えること

距離を隠すと、予約後に不満になります。先に出したうえで、来る理由を並べてください。
▼ 案内に書く項目
- □ 最寄りと所要時間(分数で)
- □ 車と自転車での来店の可否
- □ 扱う悩みを具体名で三つ以上
- □ 施術者の考え方や経歴
- □ 静かに受けられる、人目につかないなどの条件
- □ 営業している曜日と時間帯
- □ 道順と目印、到着後の動き
距離を先に書く
遠いことを隠して集めると、来た人が不満を持ちます。先に書いておけば、距離を承知した人だけが申し込みます。その人たちのほうが続きます。
所要時間は分数で書く
「駅から近く」ではなく、「駅から徒歩十五分」と書いてください。曖昧に書くと、来てから遠いと感じられます。分数で書けば、判断は相手に任せられます。
条件として書くと強みに変わる
「住宅街の中にあり、人目につきません」「他のお客様と顔を合わせません」。同じ立地でも、条件として書けば選ぶ理由になります。書かなければ、ただ不便な場所として扱われます。
知ってもらう手段の選び方

通りがかりが使えないぶん、手段の選び方が結果に直結します。
手段を選ぶときの順番
- 通える範囲の人が見ている場所かを確認する
- 地図の上に自分の店が出る状態を先に作る
- 扱う悩みで検索されたときに見つかる形を用意する
- 既に来ている人からの紹介が回る形を作る
地図に出る状態を先に作る
場所が分かりにくい店では、地図の上に出ているかどうかがたどり着けるかに直結します。住所を出したくない場合も、地域を指定する形で登録できる仕組みがあります。
扱う悩みで見つかる形を作る
場所で探されない代わりに、悩みの言葉で探されます。扱う悩みを具体名で書いておくと、その言葉で探している人に届きます。地域名と組み合わせて書くと、通える範囲の人に絞られます。
紹介がいちばん距離を越える
知っている人から勧められた場所は、距離が判断材料から外れます。既に来ている人に紹介の案内を渡す形を作ると、立地の不利が最も小さくなります。紹介する側にとっても、道順の案内があると勧めやすくなります。
それでも来ないときに見るところ

立地のせいだと結論づける前に、確認する場所があります。
見られているかどうかを分けて見る
案内を見た数と、問い合わせの数を記録してください。見た数が少なければ、立地ではなく知られていないことが原因です。この場合、場所を移しても結果は変わりません。
初回の後に続いているかを見る
初回は来るのに二回目がない場合、原因は距離ではなく施術後の渡し方です。次に来る時期の目安を伝えているか、その場で次回を決められる形になっているかを見直してください。
移転を考える前に三か月試す
場所を変えるには費用と時間がかかります。扱う悩みを絞り、道順を整え、地図に出る状態を作ってから三か月の数字を見てください。そのうえで動かないなら、立地の問題として判断できます。順番を飛ばして移ると、移った先で同じことが起きます。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 駅から遠いことは案内に書くべきですか。
A. 先に書いてください。隠して集めると来た人が不満を持ちます。先に書いておけば距離を承知した人だけが申し込み、その人たちのほうが続きます。
Q2. わざわざ来てもらう理由はどう作ればよいですか。
A. 扱う悩みを絞るのが最も効きます。自分の悩みを専門に扱っている場所が近くになければ、多少遠くても選ばれます。「何でもできます」と書くとこの理由は生まれません。
Q3. 道が分かりにくく、当日に迷われます。
A. 曲がる角の写真を二枚か三枚載せてください。文字の道順だけでは住宅街では迷います。撮るのは一度で済み、迷う人はほとんどいなくなります。
Q4. 立地が原因で集客できないのか判断できません。
A. 案内を見た数と問い合わせの数を分けて記録してください。見た数が少なければ知られていないことが原因で、場所を移しても結果は変わりません。
監修:MIKATA編集部
※本記事は情報提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。心身の不調が続く場合は、医療機関や専門家にご相談ください。
