開業直後に集客できないのは力量ではなく、知られていないことと申し込み方が分からないことが原因です。順番があります。
看板を出したのに問い合わせが来ない。開業したカウンセラーの多くが、最初の数か月をこの状態で過ごします。焦って手を広げると、どれも中途半端になって続きません。この記事では、集客が動かない原因を分け、最初に手をつける順番と、件数がない時期の過ごし方を整理します。
集客できない原因を切り分ける

問い合わせがない状態は、三つのどこかで止まっています。どこで止まっているかによって、手をつける場所がまったく変わります。
知られていない
そもそも案内が誰にも見られていない状態です。開業直後はほぼここに当たります。この段階で案内の文面を何度も直しても、読む人がいないため変化は出ません。
見られているが、判断できない
案内は見られているのに、扱う相談内容、料金、進め方が書かれておらず、申し込むかどうかを決められない状態です。見た数と問い合わせ数の差が大きいときは、ここを疑ってください。
判断できたが、申し込み方が重い
電話しか窓口がない、予約の手順が分かりにくいといった場合、気になった人も後回しにします。申し込みまでの手数を数えると、どこで落ちているかが見えます。
MIKATA編集部で個人のカウンセリングルームの案内を読み比べたところ、扱う相談内容が具体的に書かれている例と、「心の悩み全般」とだけ書かれている例で情報量に大きな差がありました。後者は、読んだ人が自分の悩みを扱ってもらえるかを判断できません。申し込みが来ない理由が、案内の書き方の段階で生まれている例が少なくないと見えます。
最初に手をつける順番
開業初期にやることは決まっています。順番を飛ばすと効果が出ません。
| 順番 | やること | 先にやると起きること |
|---|---|---|
| 1 | 扱う相談内容を具体的に書く | 後の露出がすべて無駄になりにくい |
| 2 | 料金・時間・進め方を明記する | 問い合わせの質が上がる |
| 3 | 申し込みの手順を一つにする | 取りこぼしが減る |
| 4 | 知ってもらう手段を一つ選ぶ | 順番3までが済んでいれば効く |
| 5 | 続けながら記録を取る | 何が効いたか判断できる |
露出を増やすのは四番目
焦ると、まず知ってもらおうとして手段を増やしがちです。しかし一から三が整っていない状態で人を集めても、見て帰るだけになります。整えてから露出する順番のほうが、結果的に早く進みます。
止まっている場所は数字で分かる
案内を見た数と問い合わせ数の両方を記録すると、どこで止まっているかが判定できます。見た数が少なければ知られていない段階、見た数はあるのに問い合わせがなければ判断できない段階です。感覚で決めずに、この二つの数字から入ってください。
扱う相談内容は絞るほど届く
「心の悩み全般」と書くと、誰にも自分ごとになりません。職場の人間関係、家族との距離、気持ちの整理といった具体名で書くほうが、該当する人に届きます。
案内に必ず書く項目

読んだ人が申し込むかどうかを判断できる情報を、すべて載せてください。問い合わせてから分かる形にすると、その手前で離れます。
▼ 案内に載せる項目
- □ 扱う相談内容(具体名で三つ以上)
- □ 扱わない内容と、その場合の紹介先
- □ 一回の料金と時間
- □ 対面・通話・文字のどれに対応しているか
- □ 申し込みから当日までの流れ
- □ 予約の変更と取り消しの条件
- □ 資格や経歴
料金を伏せると問い合わせは減る
金額が分からないものに連絡する負担は高く、多くの人はそこで離れます。相談の入口に立っている人ほど、問い合わせること自体に力が要ります。
流れを書くと不安が減る
申し込んでから当日までに何が起きるかが書かれていないと、相談すること自体が未知のままになります。申し込み、日程の確定、当日の持ち物、終わったあとの連絡まで、数行で構わないので順に書いてください。
扱わない内容を書くことが信頼になる
受けない領域と紹介先を明示すると、範囲を分かって仕事をしている人だと伝わります。何でも受けると書くより、申し込む側の安心につながります。
編集部で告知の効果を追ってきた経験から言えるのは、最初の数か月に必要なのは新しい手段を増やすことではなく、既にある案内を読める形に直すことだという点です。見に来た人が申し込まないまま帰っている状態で露出だけ増やしても、同じ場所で同じように帰る人が増えるだけになります。
知ってもらう手段を一つ選ぶ

一人で回すなら、最初に選ぶ手段は一つで十分です。複数に手を出すと、どれも更新が止まります。
- 通える範囲の人が見ている場所かを確認する
- 自分が続けられる作業量かを確認する
- 三か月続けると決める
- 問い合わせがあったら、どこで知ったかを必ず聞く
- 三か月後に、続けるか変えるかを数字で決める
三か月は同じ条件で続ける
一か月で判断すると、何が効いたのか分かりません。内容も頻度も変えずに三か月回してから、数字で判断してください。
作業量から選ぶ
週に何時間を集客に使えるかを先に出し、その範囲で回せる手段を選んでください。更新が止まった案内は、何もない状態より印象を下げます。続けられることが、手段を選ぶ最初の条件です。
どこで知ったかを聞かないと改善できない
問い合わせがあっても、経路を聞いていなければ何が効いたか分かりません。予約を受けるときの決まった質問に入れてください。
件数がない時期の過ごし方

開業から最初の数か月は、件数が伸びない期間が普通にあります。その時期に何をするかで、あとの進み方が変わります。
件数がない時期にやる順番
- 案内の情報が足りているかを 点検する(前章の項目で確認)
- 扱えない相談の紹介先を三つ以上そろえる
- 一件目を受ける機会を作る(知人経由でも、相談会でもよい)
- 受けた件の記録の形式を決めておく
記録の形式を先に決めておく
件数が増えてから記録の形を考えると、初期の分が残りません。日付、相談の概要、その回にやったことを一行で残す形を最初から決めておいてください。
一件目を早く受ける
実際に人と向き合った経験が一件でもあると、案内に書ける内容が変わります。何に困って来る人が多いか、初回で何を聞かれるかが分かるためです。知人経由でも、無料の相談会でも構わないので、一件目までの期間を短くしてください。
値下げで埋めようとしない
件数がないからと料金を下げると、件数が増えても収入が伸びず、続けられなくなる方向に進みます。価格は、続けられる水準から逆算して決めてください。
それでも動かないときに見るところ

三か月続けて数字が動かない場合は、手段ではなく前提を見直します。
使っている言葉が相手の言葉かどうか
専門的な用語や技法の名前で書かれていると、読んだ人は自分に関係があると判断できません。「眠れない」「気持ちの整理がつかない」といった、相談する側が使う言葉に置き換えてください。
届く範囲が現実的かどうか
対面のみで受けている場合、通える範囲の人にしか届きません。通話や文字のやり取りに対応すると、対象の範囲が一気に広がります。設備の追加がほとんど要らない範囲での変更なので、先に検討する価値があります。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 開業したのに問い合わせが来ません。何から直せばよいですか。
A. 露出を増やす前に、扱う相談内容を具体的に書き、料金と時間を明記し、申し込みの手順を一つにしてください。この三つが整っていない状態で人を集めても、見て帰るだけになります。
Q2. 扱う相談内容はどこまで絞るべきですか。
A. 具体名で三つ以上書ける程度には絞ってください。「心の悩み全般」と書くと誰にも自分ごとになりません。職場の人間関係、家族との距離といった具体名のほうが、該当する人に届きます。
Q3. 料金は案内に載せたほうがよいですか。
A. 載せてください。金額が分からないものに連絡する負担は高く、多くの人はそこで離れます。相談の入口に立っている人ほど、問い合わせること自体に力が要ります。
Q4. 集客の手段はいくつ使えばよいですか。
A. 一人で回すなら最初は一つで十分です。三か月は内容も頻度も変えずに続け、問い合わせの経路を記録したうえで、続けるか変えるかを数字で決めてください。
監修:MIKATA編集部
※本記事は情報提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。心身の不調が続く場合は、医療機関や専門家にご相談ください。
