料金は相場から決めるのではなく、1か月に受けられる件数と、必要な売上から逆算して決めます。相場に合わせると、続けられない金額になります。
カウンセラーとして活動を始めて、いくらにすればいいか分からず、他の人のページを見て真似する。その決め方だと、自分の稼働量と合っているかを確認できません。
MIKATA編集部が個人で活動するカウンセラーの相談を整理すると、料金を相場から決めた人ほど、1年以内に値上げか撤退を検討していました。件数が増えても手元に残らず、増やすほど疲弊する構造になっていたためです。先に決めるべきなのは金額ではなく、稼働の上限でした。
決める順番
- 月に受けられる件数の上限を決める(体力と他の仕事を考えて)
- 必要な月の売上を出す(経費と生活費から)
- 売上 ÷ 件数で、1件あたりの金額が出る
- その金額が高すぎると感じるなら、件数か売上を見直す
- 最後に、近い条件の相談先と比べて違和感がないか確認する
5番目を最初にやると、順番が逆になります。相場は他の人の稼働量と経費の結果であって、自分の条件とは無関係です。
参考にするなら、扱う範囲と形式が近い相談先だけを見てください。対面と全国オンライン、単発と継続では、比べても意味がありません。
件数の上限は思うより低い
相談は1件ごとに集中を要します。1日3件が限界という人もいれば、5件受けられる人もいます。無理をすれば増やせる数ではなく、毎週続けられる数で決めてください。
他の仕事と並行している場合
会社員と兼ねている、家族の世話がある。その場合、受けられるのは週に数件です。件数が少ないほど、1件あたりの金額は上げる必要があります。
少ない件数で低い金額にすると、経費を引いた時点で残らない構造になります。続けるための金額を、先に計算してください。
将来的に件数を増やせる見込みがあるなら、その時点で下げる選択もできます。上げるより下げるほうが伝えやすい。

料金に含まれる時間を数える
1回50分の相談でも、実際にかかる時間はそれだけではありません。事前の準備、記録、問い合わせ対応、日程調整。これらを含めると、1件あたり1.5〜2倍の時間になります。50分の料金を50分の労働として計算すると、実際の時給は想定の半分近くになります。
| 作業 | 1件あたりの目安 | 料金への反映 |
|---|---|---|
| 相談の時間 | 50〜60分 | 本体 |
| 事前の準備・記録の確認 | 10〜15分 | 含める |
| 終了後の記録 | 10〜20分 | 含める |
| 問い合わせ・日程調整 | 5〜15分 | 含める |
| 移動(対面の場合) | 往復の実時間 | 含める |
この合計で割ると、実際の時給が出ます。その数字を見てから、金額が妥当かを判断してください。
キャンセルされた枠も、直前なら他に埋められません。その分の損失を見込むなら、キャンセル規定で扱うか、単価に織り込むことになります。
経費も忘れず入れる
場所代、通信費、ツールの利用料、学び直しの費用、広告や掲載の費用。これらを月あたりで出して、必要売上に足します。
無料でやる部分を決めておく
問い合わせへの返信、簡単な質問への回答。どこまでを無料にするかを決めておかないと、相談本体と同じ量のやりとりが料金の外で起きます。
「詳しいご相談は初回の枠でお受けします」と返信の定型に入れておくと、線引きが伝わります。
線を引くことは冷たい対応ではありません。無償の対応が増えるほど、本来の相談にかけられる力が減ります。
形式ごとに分ける
カウンセラーの料金設定では、形式ごとに同じ金額にする必要はありません。
- 対面:場所代と移動が乗る
- ビデオ:移動なし。設備投資は小さい
- 音声のみ:ビデオと同等の労力
- チャット・メール:1往復あたりの時間が読みにくい
最後の形式は要注意です。やりとりが長引くと、際限なく時間を取られる形になります。回数制か期間制にして、範囲を決めてください。
たとえば「1往復=1回分」「2週間で3往復まで」のように、数えられる単位にしておきます。
返信までの目安も書いておいてください。「2営業日以内」と決めておけば、常に画面を見ている必要がなくなります。
▼ メニューを作るときの確認
- □ 1回の時間が明記されている
- □ 形式ごとに金額が分かれている
- □ 継続の場合の金額が示されている
- □ キャンセル規定がある
- □ 延長した場合の扱いが決まっている

安くしすぎたときに起きること
▼ 低単価の連鎖
- 件数を増やさないと収入が足りない
- 1件あたりにかけられる準備の時間が減る
- 疲れて質が落ちる、または受けられなくなる
- 続けられず、値上げか撤退を検討することになる
最初に低く設定すると、既存の相談者への値上げが必要になります。これは伝えにくく、離れる人も出ます。
始める時点で自信が持てない場合は、金額を下げるのではなく「初回のみ」「◯月まで」と期間を区切ってください。期間つきなら、通常価格に戻すことが最初から前提になります。
モニター価格として始める場合も、終了日を最初に明示してください。終わりを決めずに始めると、その金額が定価として扱われます。
値上げの連絡を出す場面を想像してから、最初の金額を決めてください。その想像が難しいなら、金額が低すぎます。
見直しの目安
決めた料金設定は、次のいずれかに当てはまったら見直す時期です。
- 予約が埋まっているのに、手元に残らない
- 件数を増やす余地がなく、収入も増えない
- 経費が上がった(場所代、ツール、学びの費用)
- 扱える範囲が広がった(研修や経験を積んだ)
- 準備や記録にかける時間が増えている
1番目と2番目が同時に起きているなら、料金以外に解決策がありません。件数で調整できる段階を過ぎています。
3番目と4番目は、伝えやすい理由でもあります。扱える範囲が広がったことは、相談する側にとっても価値の変化です。
逆に、5番目だけが理由なら先に進め方の効率を見直す余地があります。
見直しの頻度は年1回を目安に、時期を決めておくと切り出しやすくなります。
毎年同じ時期に見直すと決めておけば、そのたびに悩まずに済みます。据え置くという判断も、見直した結果です。
見直しの記録を残しておくと、次に上げるときの根拠になります。
件数・稼働時間・経費を月ごとに残しておけば、感覚ではなく数字で判断できます。
料金や集客の整え方についてLINEで配信しています。

伝え方と表示のしかた
- 変更の1〜2か月前に、既存の相談者へ伝える
- 理由は簡潔に(値上げの根拠を長く説明しない)
- 既存の人には移行期間を設ける方法もある
- サイトの表示は変更日から切り替える
2番目が要点です。説明が長いほど、交渉の余地があるように見えます。「◯月から料金を改定します」で足ります。
表示については、金額を書かないほうが問い合わせが増える、という考え方もありますが、検討している人は金額が分からないと判断できません。書かないことが検討を止める理由になっています。
問い合わせが増えても、金額を聞くだけのやりとりが増えるなら意味がありません。対応の時間が減るぶん、書いておくほうが手元に残ります。
この記事では平均単価を示しません。地域・形式・扱う範囲で幅が大きく、検証できる統計を持っていないためです。他人の金額より、自分の稼働と経費から出した数字を使ってください。
MIKATAでは、相談を受ける方の掲載を扱っています。料金と進め方を明記して掲載できるようにしているのは、検索から来た人が判断できる情報を必要としているためです。
カウンセラーの料金を決めるのは、値段をつける作業ではありません。どれだけ受けられるかを決める作業です。そこが決まれば、金額は自然に出ます。
迷って決まらないなら、件数の上限を書き出すところから始めてください。
そこから逆算すれば、根拠のある金額になります。


よくある質問(FAQ)
Q1. 相場に合わせるべきですか?
A. 相場は他の人の稼働量と経費の結果です。自分の件数の上限と必要売上から逆算してください。
Q2. 最初は安くしたほうがいいですか?
A. 下げるのではなく、期間を区切ってください。「初回のみ」「◯月まで」なら、通常価格に戻すことが前提になります。
Q3. 値上げをどう伝えればいいですか?
A. 1〜2か月前に、理由を簡潔に伝えてください。説明が長いほど交渉の余地があるように見えます。
Q4. 料金をサイトに書くべきですか?
A. 書いてください。検討している人は金額が分からないと判断できず、書かないこと自体が検討を止める理由になります。
監修:MIKATA編集部
※本記事は情報提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。心身の不調が続く場合は、医療機関や専門家にご相談ください。
