朝礼のスピーチが苦手なのは話し方ではなく、内容を当日に探しているからです。仕込み方を整理します。
順番が回ってくると分かった日から気が重い。前の晩に考えても何も浮かばず、当日の朝に慌てて探す。朝礼のスピーチが苦手な人の多くは、話し方ではなく内容を用意する工程で詰まっています。この記事では、詰まる理由と、話す内容の仕込み方、一分で収める型を整理します。
苦手になる理由

話すこと自体より、その前後の工程に負担が集中しています。
当日に内容を探している
何を話すかが決まっていないと、順番が回るまでの数日をずっと考え続けることになります。考えても浮かばないため、その時間がそのまま負担になります。
良い話をしようとしている
感心される内容を出そうとすると、候補が全部だめに見えます。朝礼のスピーチに求められているのは良い話ではなく、決まった時間を埋めることです。
構成が決まっていない
内容が浮かんでも、どの順で話すかが決まっていないとその場で組み立てることになります。話しながら組み立てると、時間が読めなくなります。長引くと、そのこと自体が次の回の負担になります。
聞いている人の反応が気になる
反応が薄いことを失敗と受け取ると、次の回の負担がさらに増えます。朝礼では反応が薄いのが通常で、内容の良し悪しとは関係がありません。朝の時間帯は、聞く側も反応を返す状態にありません。
MIKATA編集部に届く職場の相談を読むと、朝礼のスピーチについての困りごとは「うまく話せない」ではなく「何を話せばいいか分からない」という形で書かれています。当日までの数日、そのことが頭から離れないという負担のほうが大きい。扱うべきは話し方ではなく、内容が決まっていない時間のほうです。
話の種類を四つに分ける
何を話すかは、四つの型のどれかに当てはめれば決まります。
| 型 | 内容 | 仕込み方 |
|---|---|---|
| 自分の出来事 | 最近あった小さなこと | 週に一つ書き留める |
| 季節の話 | その時期に起きること | 月ごとに一つ用意する |
| 仕事の気づき | 業務で分かったこと | 気づいた日にメモする |
| 紹介 | 読んだもの、見たもの | 月に一つだけ選ぶ |
自分の出来事がいちばん出しやすい
四つのうち、探す手間が最も少ないのが自分の出来事です。内容が小さくても構いません。買い物での出来事、通勤中に気づいたこと。自分にしか話せない話は、それだけで聞かれる理由になります。感心される必要はなく、その場が埋まれば役割は果たしています。
季節の話は前もって作れる
その月に必ず来る出来事は、前もって用意できます。衣替え、年度の区切り、気温の変化。月ごとに一つ決めておけば、急に回ってきたときの保険になります。
紹介は月に一つでよい
読んだもの、見たものを紹介する型は、毎回用意しようとすると続きません。月に一つだけ選んでおき、その月はそれを使う形にしてください。
仕事の気づきは仕込みが要らない
業務中に「そうだったのか」と思った瞬間をその日にメモしておくだけで、そのまま話す内容になります。職場での朝礼なら、聞いている人にも関係があります。
仕込み方

当日に探すのをやめて、普段からためる形に変えます。
- 手元に、話に使えそうなことを書く場所を一つ決める
- 週に一つ、何か起きたことを一行で書く
- 月末に、その中から使えそうなものを三つ選ぶ
- 選んだ三つを、いつでも出せる状態にしておく
- 使ったものには印をつけ、次は別のものを使う
三つ持っていれば足りる
毎回違う話を用意する必要はありません。手元に三つあれば、順番が回ってきたときにその中から選ぶだけで済みます。選ぶ作業は、探す作業よりはるかに軽くなります。
書く場所を一つに決める
思いついたときに書く場所が毎回違うと、月末に集めるところで詰まります。紙でも画面でも構わないので、一か所に決めてください。
一行でよい
書き留めるのは、詳しい内容ではなく出来事を思い出せる一行で足ります。詳しく書こうとすると、書くこと自体が続きません。
編集部で、話す機会に備えて「使えそうな話を三つだけ手元に置いておく」ことを試しました。毎回新しく探すのではなく、同じ三つを場面に合わせて出す形です。内容の質は変わりませんでしたが、順番が回ってくると分かってからの数日が明らかに楽になりました。
一分で収める型

内容が決まっても、話す順番が決まっていないと時間が読めません。
▼ 話すときに使う型
- □ 何の話かを最初に言う(先日、こんなことがありました)
- □ 出来事を短く話す(三十秒以内)
- □ そこから思ったことを一つだけ言う
- □ 仕事とつなげられそうならつなげる(無理ならつなげない)
- □ 終わりの一言を固定する(以上です)
最初に何の話かを言う
聞いている側は、何の話が始まったか分からないまま聞き始めます。「先日、こんなことがありました」と枠を先に示すと、そのあとが聞きやすくなります。
出来事は三十秒で切る
背景から説明すると、それだけで一分が終わります。細かい経緯は省き、何があったかだけを短く話してください。省いた部分を聞かれることは、朝礼ではほとんどありません。
無理に仕事とつなげない
教訓につなげようとすると、話が説教のようになります。つながらない話はつなげずに終えて構いません。「以上です」で終われば成立します。
当日の進め方

当日にやることを決めておくと、直前の負担が減ります。
当日の順番
- 朝、手元の三つから一つ選ぶ
- 最初の一言と終わりの一言だけ声に出して確認する
- 間の部分は覚えない(その場で話す)
- 終わったら、使ったものに印をつける
朝に一つ選ぶだけにする
当日の朝にやることは、手元の三つから一つ選ぶことだけです。内容を練り直したり、別の話を探し始めたりしないでください。選ぶ時間は一分で足ります。
覚えるのは最初と最後だけ
全部を覚えようとすると、忘れることへの不安が加わります。始まりと終わりが決まっていれば、途中で詰まっても着地できます。
使ったものに印をつける
同じ話を繰り返すと、聞いている人が気づきます。使ったものに印をつけておけば、次は別のものを選べます。三つ使い切ったら、また月末に三つ選び直してください。
紙を見てよい
手元の紙を見ながら話すことは問題ありません。見てはいけないと思い込むと、覚える負担が増えます。一行のメモを持って立つだけで、頭が真っ白になる場面は減ります。
それでも負担が大きいとき

準備をしても、順番が近づくと消耗する場合があります。
回ってくる周期を把握する
いつ自分の番かが分からないと、常に構えていることになります。順番と周期を確認しておくと、備える期間が限定されます。月に一度なら、その週だけ用意すれば足ります。
形式の変更を相談する余地がある
人前で話すこと自体が強い負担になる場合、書いたものを配る、座って話すといった形に変えられないか相談できることがあります。苦手だからと言いにくければ、「この形のほうが伝わりやすいので」と方法の提案として出す方法もあります。
体の反応が出ているとき
前日から眠れない、当日に動悸がする、手が震える。こうした反応が強く、他の場面にも広がっている場合は、医療機関や相談窓口に状況を伝えてください。本記事は情報提供を目的としたもので、診断を行うものではありません。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 朝礼で何を話せばよいか分かりません。
A. 自分の出来事、季節の話、仕事の気づき、紹介の四つのどれかに当てはめてください。最も出しやすいのは自分の出来事で、内容が小さくても、自分にしか話せない話は聞かれる理由になります。
Q2. 毎回新しい話を用意しないといけませんか。
A. 手元に三つあれば足ります。順番が回ってきたときにその中から選ぶだけで済み、選ぶ作業は探す作業よりはるかに軽くなります。使ったものには印をつけてください。
Q3. うまく仕事の教訓につなげられません。
A. つながらない話はつなげずに終えて構いません。無理に教訓にすると説教のようになります。終わりの一言を固定しておけば、それで成立します。
Q4. 原稿を見ながら話してもよいですか。
A. 問題ありません。見てはいけないと思い込むと覚える負担が増えます。一行のメモを持って立つだけで、頭が真っ白になる場面は減ります。
監修:MIKATA編集部
※本記事は情報提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。心身の不調が続く場合は、医療機関や専門家にご相談ください。
