差別化できないのは特別なものがないからではなく、比べる相手を間違えているためです。見るのは同業ではなく、来ている相談者です。
同じような肩書きの人が並んでいて、自分が選ばれる理由が思いつかない。この行き詰まりは、見る方向を変えると抜けられます。
MIKATA編集部が個人で活動する方の相談を整理すると、差別化で止まっている人ほど、同業のページばかり見ていました。比べるほど、足りない部分だけが目につきます。実際に選ばれている理由は、来ている相談者の側に出ています。
差別化の誤解
| やりがちなこと | 起きること |
|---|---|
| 同業のページを見比べる | 足りない部分だけが目につく |
| 珍しい手法を掲げる | 相談する側には違いが分からない |
| 効果を強く書く | 期待とのずれが生まれる |
| 扱う対象と場面を書く | 当てはまる人が自分向けだと分かる |
4番目だけが機能します。違いを作るのではなく、誰に向けたものかを書く作業です。
違いは、書いた結果として出てきます。先に作ろうとすると、実態から離れます。
実態と合わない看板は、あとで自分を苦しめます。
扱えない相談が来ることになります。
双方が消耗する形になります。
実態どおりに書くほうが、結果として続きます。
背伸びは、どこかで破綻します。
扱える範囲の中で書いてください。
そのほうが、長く続けられます。
無理のない看板を掲げてください。
手法で差別化しない
相談する側は手法の違いを知りません。「◯◯療法」と書かれても、それが自分に合うかは判断できません。場面で書くほうが伝わります。
手法を書くなら、場面の説明のあとに一度添えれば足ります。先に置くと、判断できないまま離れます。
知りたい人には、そこで伝わります。
知らない人にも、負担になりません。
同業を見るほど動けなくなる
比べるほど、自分に足りない部分が増えて見えます。足りないものを埋める作業には終わりがありません。すでにあるものを見るほうが、早く形になります。
材料は、すでに手元にあります。
台帳と、言われた言葉です。
どちらも、すでに持っています。
新しく集める必要はありません。
見返す時間を取るだけです。
台帳があれば、すぐ終わります。
記録がない場合は、そこから始めてください。
数行のメモで足ります。
次の相談から始められます。

見る場所を変える
相談先を探す人は、数十人を並べて比較しているわけではありません。自分の状況に当てはまるかどうかを見て、当てはまれば申し込みます。つまり必要なのは、他と違うことではなく、誰の何を扱うかが伝わることです。
- 続けて来ている人の共通点を数える
- 相談後に言われた言葉を集める
- 紹介するときに何と説明されたかを聞く
- 扱っていて疲れない領域を確認する
- この4つの重なりを書き出す
2番目が最も確実です。自分では当たり前にやっていることが、相手にとっては選ぶ理由になっていることがあります。
本人が強みだと思っていない部分で選ばれています。
だから、自分で考えても出てきません。
外から見た評価を集めてください。
そこにしか答えがありません。
内側を探しても、特別なものは出てきません。
誰でも同じです。
技術以外も選ばれる理由になる
説明が分かりやすい、返信が早い、話しやすい、予約が取りやすい。これらは全部、選ばれる理由です。
聞いてもいい
「どうして続けて来てくださるんですか」と直接聞いても構いません。答えが、そのまま書く材料になります。
自分で考えるより、正確です。
聞くのは失礼になりません。
むしろ、関心を持たれたと受け取られます。
書き方に落とす
▼ 1行目に入れる要素
- □ 対象(立場・年代)
- □ 場面(どんなときか)
- □ 扱うこと(何をするか)
- □ 形式(オンライン/対面、1回の時間)
- □ 扱わない範囲
5番目を書くと、逆に選ばれやすくなります。何でも扱えると書いてあるより、境界がはっきりしているほうが判断できます。
扱わない範囲を書くと、問い合わせの質も変わります。
合わない相談が減ります。
結果として、対応の負担も減ります。
扱える相談だけが届くようになります。
その状態が、いちばん続けやすい形です。
凝った表現は要りません。「復職前の不安を、3か月で整理します」で足ります。
同じ一文を全部に使う
サイト、掲載先、プロフィール。場所によって違う言葉を使うと、何の人か伝わりにくくなります。
同じ一文で統一してください。
繰り返し目にすることで、覚えられます。

絞ることへの不安
▼ 絞ったときに起きること
- 対象外の人からの通過が減る
- 当てはまる人が自分向けだと気づく
- 問い合わせの内容が揃ってくる
- 扱いやすい相談が増える
- 紹介されやすくなる(何の人か伝わる)
5番目が見落とされます。「何でもやる人」は紹介しにくい。扱う場面が決まっていると、該当する人がいたときに思い出されます。
紹介は、思い出されることから始まります。
一言で言える状態にしてください。
紹介する側も、そのほうが伝えやすくなります。
絞っても、来た相談が扱えるなら受けて構いません。看板を絞ることと、受ける範囲を狭めることは別です。
表に出す看板と、実際の対応は分けて考えてください。
来た相談が扱えるなら、受けて構いません。
集客や発信の整え方についてLINEで配信しています。
同業を見るときの見方
まったく見ないほうがいい、という話ではありません。
- 見るなら、扱う範囲が近い相手だけ
- 何を書いていないかを見る(自分が書ける余地)
- 料金や形式は参考程度にする
- 表現を真似しない(実態と合わなくなる)
- 見る時間を決める(長く見ない)
2番目が使えます。同業が書いていない部分に、自分の扱える範囲があることがあります。
空いている場所が、そのまま入る余地になります。
真似する必要はありません。
この記事では平均の単価や集客数を示しません。分野と規模で幅が大きく、検証できる統計を持っていないためです。
他人の数字は、その人の条件の結果です。
自分の記録から判断してください。

表現で気をつけること
差別化を意識するときほど、線を越えやすくなります。
- 診断名を用いて相手の状態を断定しない
- 治る・改善するといった効果の保証をしない
- 体験談を成果の証明として使わない
- 他の相談先と比較して優位を主張しない
- 特定の個人が識別できる事例を書かない
4番目に注意してください。他と比べて優れていると書く形は、根拠を示せないうえ、読む側にも印象が良くありません。
MIKATAでは、相談を受ける方の掲載を扱っています。扱う対象と場面を明記して掲載できるようにしているのは、検索から来た人が自分向けか判断できる必要があるためです。
差別化で止まっているなら、同業のページを閉じて、来ている相談者の記録を開いてください。
答えは、そこに出ています。
差別化は、作る作業ではありません。すでに選ばれている理由に、名前をつける作業です。そこに気づけば、書くことも決まります。
新しく何かを始める必要はありません。いまやっていることの中に、選ばれている理由が含まれています。
それを言葉にするだけで、差別化と呼ばれるものは揃います。作業に費用はかかりません。
30分あれば、材料は出揃います。そこから一文にまとめるだけです。今日のうちに終わります。
同業を見比べる時間を、その30分に回してください。そのほうが確実に前へ進みます。
比べる相手を変えるだけで、書けることが増えます。足りないものではなく、あるものを見てください。
そこに、選ばれてきた理由が残っています。
見落としているだけで、必ずあります。
外から見れば、はっきり見えているものです。
だから、聞くのがいちばん早い方法です。


よくある質問(FAQ)
Q1. 差別化できません。
A. 同業と比べるのをやめて、来ている相談者を見てください。続けて来ている人の共通点と、言われた言葉に答えが出ています。
Q2. 特別な手法がないと選ばれませんか?
A. 相談する側は手法の違いを知りません。何をするかより、誰のどんな場面を扱うかが伝わるほうが選ばれます。
Q3. 絞ると機会を失いませんか?
A. 減るのは対象外の人からの通過だけです。看板を絞ることと、受ける範囲を狭めることは別です。
Q4. 同業を見てもいいですか?
A. 扱う範囲が近い相手だけ、時間を決めて見てください。表現を真似すると、実態と合わなくなります。
監修:MIKATA編集部
※本記事は情報提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。心身の不調が続く場合は、医療機関や専門家にご相談ください。
