効果で選ぶのではなく、続けられる条件を満たすほうを選んでください。移動時間と、話せる場所があるかで決まります。
どちらが効くのかを比べても答えは出ません。研究でも大きな差は報告されておらず、実際に差が出るのは通い続けられるかどうかです。
MIKATA編集部が相談の体験を整理すると、形式を理由に途中で通えなくなった人が一定数いました。対面を選んで移動が負担になった人、オンラインを選んで家に話せる場所がなかった人。どちらも内容ではなく条件で止まっています。選ぶ段階で見るべきなのは、効果ではなく条件です。
条件から絞る
| 条件 | 対面 | オンライン |
|---|---|---|
| 移動時間 | 往復で1〜2時間かかることも | ゼロ |
| 話せる場所 | 相談室が用意されている | 自分で確保する必要がある |
| 担当の選択肢 | 通える範囲に限られる | 全国から選べる |
| 予約の取りやすさ | 枠が限られる | 比較的取りやすい |
| 切り替え | 移動が区切りになる | 区切りを自分で作る |
| 非言語の情報 | 伝わりやすい | 画面越しに制限される |
上から2つが、続けられるかを決めます。3つ目以降は、続けられる前提での差です。
非言語の情報が制限される点は、実際には言葉で補えます。「いまうまく言えないんですが」と伝えれば、画面越しでも状態は伝わります。
家に話せる場所がない場合
同居家族がいて、聞かれずに話せる時間が取れないなら、オンラインは向きません。車の中や、時間貸しの個室を使う人もいますが、毎回の手配が負担になります。
その場合は対面のほうが確実です。相談室が「話していい場所」を用意してくれます。
移動時間は往復で計算する
片道30分なら往復1時間。50分の相談に対して、実際に使う時間は2時間近くになります。この時間を毎週または隔週で確保できるかを、申し込む前に具体的に考えてください。
続けられない条件で始めると、内容が合っていても数回で止まります。止まった理由が形式にあったと気づかず、「自分には合わなかった」と受け取ってしまうことがあります。
逆に、移動が気分転換になる人もいます。負担か切り替えかは人によるため、自分がどちらかを一度考えてみてください。

オンラインが向く人
対面には「日常と切り離された場所に行く」という効果があります。移動そのものが切り替えになり、帰り道が余韻を整理する時間になります。オンラインにはその区切りがない代わりに、移動時間ゼロで、担当を全国から選べます。地域に選択肢が少ない場合、この差は大きい。
- 移動に往復1時間以上かかる
- 子どもが小さく、外出の調整が難しい
- 体調の波があり、直前の判断で受けたい
- 地域に選択肢が少ない
- 外出そのものが負担になっている
- 一人で話せる部屋がある
最後の項目が前提条件です。これを満たさないと、他が揃っていても続きません。
職場の休憩時間に受ける人もいますが、その場合は終わったあとすぐ仕事に戻ることになります。話した内容を抱えたまま働くのは負担が大きく、続けにくい形です。
形式は4つある
オンラインといっても中身は分かれます。
- ビデオ:顔を見て話す。対面に最も近い
- 音声のみ:顔を出さずに話せる
- チャット:その場で文字をやりとりする
- メール:1往復に数日かかる
下2つは長期化しやすい形です。話すのが苦手で、書くと整理できる人には合いますが、進むまでに時間がかかります。
担当を全国から選べる意味
扱う範囲を絞っている相談先ほど、近くにあるとは限りません。特定の場面を専門にしている相手を探すなら、オンラインのほうが候補が広がります。
地域に相談先が数か所しかない場合、合わなかったときの次の選択肢がありません。オンラインなら、担当を変える判断がしやすくなります。
対面が向く人
- 家に一人で話せる場所がない
- 日常から離れた場所で話したい
- 画面越しだと集中が続かない
- 通信環境に不安がある
- 深い話に入りたい
最後の項目については、オンラインでも扱えないわけではありません。ただ、場所が変わることで話しやすくなる人はいます。
家で自分の悩みを話すと、その部屋に内容が残る感じがして落ち着かない、という声もあります。生活の場と切り離したい人には対面が向きます。
▼ 対面を選ぶときに確認すること
- □ 通える距離か(往復の時間を実際に計算する)
- □ 予約が取れる時間帯か(平日夜・土日の対応)
- □ 移動が体調に影響しないか
- □ 続けられる交通費か
- □ 急なキャンセル時の規定
交通費も費用に含めて計算してください。1回の相談料に往復の交通費を足すと、想定していた金額と変わることがあります。
時間帯も確認してください。平日夜や土日に対応していない相談先だと、仕事を調整して通うことになります。

併用という選択
どちらか一方に決める必要はありません。
▼ 併用の形
- 初回だけ対面で受けて、相性と進め方を確認する
- 2回目以降はオンラインで続ける
- 節目や、深く扱う回だけ対面にする
- 体調や予定に合わせて、その都度選ぶ
同じ担当が両方に対応しているかは、申し込み前に確認できます。対応していれば、条件が変わっても続けられます。
引っ越しの予定がある場合も、オンライン対応の相談先を選んでおくと担当を変えずに済みます。
体調の波がある場合も、両方に対応している相談先だと調整しやすくなります。外出できない日はオンラインに切り替える、という形です。
併用ができない相談先もあります。その場合は、条件が変わったときに担当ごと変えることになる点を見込んでおいてください。
相談先の選び方や心を整えるヒントをLINEで配信しています。
オンラインで受けるときの準備
- 通信を確認する(途切れると話が中断する)
- イヤホンを使う(音漏れを防ぐ)
- 終了後30分は予定を入れない
- 画面に自分の顔を映さない設定にする
- 通知を切る
3番目が抜けやすい。移動がないぶん、終わってすぐ日常に戻ることになります。対面では帰り道が担っていた整理の時間を、自分で作る必要があります。
4番目も効きます。自分の表情が見えていると、どう見えているかが気になって話に集中できません。多くのツールで非表示にできます。
メモを手元に置いておくのもオンラインの利点です。話したいことを書いた紙を見ながら進められます。
対面では取り出しにくいメモも、画面の外にあれば自然に確認できます。話が飛んだときに戻る場所になります。
終わったあとに書き足す用途にも使えます。
記録が残ると、次の回の入り方が早くなります。
前回の続きから始められるぶん、限られた時間を有効に使えます。

結局どう決めるか
- 家に一人で話せる場所があるか → 無ければ対面
- 往復の移動時間は許容できるか → できなければオンライン
- 続けられる費用か → 交通費も含めて計算する
- 決めきれなければ、初回だけ対面で試す
効果の差で悩む時間は、判断に使えません。条件で絞れば、候補はかなり減ります。
迷っている時間そのものが、始めるまでの期間を延ばします。条件で1つに絞って、合わなければ変える。そのほうが早く進みます。
最初の1回を受けてみると、机上で比べていたときには分からなかった点が見えます。移動の負担も、画面越しの感覚も、実際に試したほうが早く判断できます。
なお、眠れない・食べられない状態が続いている場合は、形式を選ぶ前に医療機関を検討してください。出典:厚生労働省「こころの耳」
MIKATAでは、対応形式を明記した相談先を探せるようにしています。形式から絞り込めるようにしているのは、そこが続けられるかどうかを決めるからです。
形式で迷って始められないでいるなら、通いやすいほうを選んで構いません。合わなければ変えられます。
形式を変えることは、やり直しではなく調整です。条件が変われば、合う形も変わります。


よくある質問(FAQ)
Q1. オンラインでも効果はありますか?
A. 研究では大きな差は報告されていません。実際に差が出るのは、続けられるかどうかです。
Q2. 家族に聞かれないか心配です。
A. 一人で話せる場所が確保できないなら、オンラインは向きません。その場合は対面のほうが確実です。
Q3. 途中で形式を変えられますか?
A. 同じ担当が両方に対応していれば変えられます。申し込み前に確認してください。
Q4. 顔を出したくないのですが。
A. 音声のみやチャットの相談もあります。ビデオでも、自分の顔を非表示にする設定が使えます。
監修:MIKATA編集部
※本記事は情報提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。心身の不調が続く場合は、医療機関や専門家にご相談ください。
