電話が怖いのは性格ではなく、準備できることが少ないからです。緊張を減らす準備を整理します。
着信音が鳴るたびに身構えてしまう。出た瞬間に頭が真っ白になり、相手の名前も聞き取れない。この記事では、電話が怖くなる理由と、出る前にできる準備、出たあとの立て直し方を整理します。
電話が怖くなる理由

向き不向きの前に、条件の問題があります。
誰から何の用件か分からない
文字の連絡は相手も内容も先に分かります。電話は出るまで分かりません。準備できない状態で始まることが負担になります。
その場で答えを出さないといけない
調べてから返すことができず、分からないと言う場面が生まれます。答えられない場面を想像するほど、出るのが怖くなります。
周りに聞かれている
職場ではやり取りが周囲に聞こえます。対応の善し悪しを見られている感覚が加わり、緊張が大きくなります。
失敗の記憶が残っている
一度うまくいかなかった経験があると、着信音そのものがその場面と結びつきます。鳴るたびに同じ緊張が戻ってきます。
練習の機会が少ない
私生活で電話を使う回数が減り、慣れる場が仕事の中にしかありません。経験が少ないまま本番だけが来る形になっています。
鳴っている時間が長く感じる
取るまでの数秒に出るかどうかを判断しています。その数秒が繰り返し来ることで、通話の時間より待っている時間のほうが負担になります。
MIKATA編集部に届く仕事の相談を読むと、電話についての困りごとは「うまく話せない」より「鳴っている間がつらい」という形で書かれています。通話そのものより、出るまでの時間が負担になっています。
怖さの中身を分ける
何が怖いのかで、打つ手が変わります。
| 怖さの中身 | 起きていること | 先にやること |
|---|---|---|
| 聞き取れない | 名前や社名が取れない | 聞き返す言い方を決める |
| 答えられない | 知らない内容が来る | 折り返しの型を用意する |
| 取り次げない | 誰に回すか分からない | 担当表を手元に置く |
| 見られている | 周囲の目が気になる | 型どおりに話すと決める |
聞き取れないのは能力の問題ではない
初めて聞く社名や名前は誰でも取れません。聞き返す言い方を決めておけば、その場で困らなくなります。
答えられない場面は必ずある
新人でなくても知らない内容は来ます。折り返す形を持っていれば、答えられないことは失敗ではなくなります。
記録して傾向を見る
一週間、困った場面を書き留めてください。多くは同じ数種類に集まります。その数種類に答えを用意すれば足ります。
取り次ぎは仕組みの問題
誰に回すかが分からないのは覚えていないからではなく、一覧が無いからです。手元に表があればその場で迷いません。
出る前にできる準備

鳴ってから考えないための準備があります。
- 受け答えの型を紙に書いて手元に置く
- 聞き取る項目(社名・名前・用件・連絡先)を用紙にする
- 聞き返す言い方を決めておく
- 折り返すときの言い方を決めておく
- 担当と内線の一覧を手元に置く
聞き取る項目を用紙にする
社名、名前、用件、連絡先。枠を作って埋める形にすると、何を聞くか考えずに済みます。埋まっていない欄がそのまま聞くことになります。
聞き返す言い方を決める
「恐れ入ります、もう一度お名前を伺えますか」。決めておけば詰まらずに出てきます。聞き返すこと自体は失礼ではありません。
折り返しの型を持つ
「確認して折り返します。お電話番号を伺えますか」。この一文があれば、答えられない場面を全部処理できます。
担当表を手元に置く
名前と内線、担当している範囲。一枚にまとめて机に貼っておくと、取り次ぎで詰まらなくなります。
編集部で電話の受け方を二通り試して比べました。その場で聞き取って対応する形と、先に用紙を用意して埋めていく形です。後者のほうが聞き返しが減り、終わったあとの疲れも小さくなりました。何を聞くかが決まっていると、考える量が減るためだと考えられます。
鳴ったときの動き方

出るまでの数秒を決めておきます。
▼ 電話が鳴ったときの確認項目
- □ 用紙とペンが手元にある
- □ 受け答えの型が見える場所にある
- □ 担当表が手元にある
- □ 深く一度息を吐いてから取っている
- □ 分からないときは折り返すと決めている
- □ 取れない日は無理に取らないと決めている
息を吐いてから取る
鳴ってすぐ取ると呼吸が浅いまま話し始めます。一度息を吐いてから取るだけで、声の出方が変わります。二回鳴ってからで構いません。
最初の一文を固定する
名乗りの言葉を毎回同じにしてください。最初が決まっていると、そのあとの言葉が続きます。考えるのは用件からで十分です。
メモは単語だけにする
文で書こうとすると手が追いつきません。単語だけ拾って、切ってから整えてください。正確に書くのは後で構いません。
復唱して確かめる
聞き取った内容をそのまま繰り返すと、間違いがその場で直ります。自分の確認にもなり、聞き返す回数が減ります。
出たあとの立て直し方

終わったあとの過ごし方でも次の緊張が変わります。
通話が終わったあとの順番
- メモを見ながら内容を整える
- 折り返しが必要なものを先に処理する
- うまくいかなかった点を一行だけ書く
- 次に同じ場面が来たときの言い方を決める
- そこで振り返りを終える
振り返りを一行で終える
長く反省すると次の着信が重くなります。直す点を一行書いたら、そこで終えてください。同じ場面の対策が一つ増えれば十分です。
うまくいった回も数える
困った回だけ覚えていると、電話全体が怖いものになります。問題なく終わった回も数えておいてください。
同じ場面の答えを増やす
困った場面ごとに言い方を一つずつ決めていくと、半年で手持ちが増えます。慣れるのを待つより、手持ちを増やすほうが早く進みます。
続くときは相談する
着信音で動悸がする、出勤前から気が重いといった状態が二週間以上続く場合は、社内の相談窓口や医療機関に伝えてください。本記事は情報提供を目的としたもので、診断を行うものではありません。
職場に伝えて減らす

自分の準備だけでなく、職場側で減らせることもあります。
担当表を作る相談をする
誰が何を担当しているかの一覧が無いと、取り次ぎで詰まります。自分のためだけでなく職場全体で使えるものとして提案してください。
よくある用件の答えをそろえる
同じ問い合わせが繰り返し来るなら、答えを紙にしておけば誰が出ても同じ対応ができます。個人の慣れに任せない形にできます。
困った場面を共有する
自分が詰まった場面は他の人も詰まっています。共有しておくと答えがそろっていき、職場全体で電話が軽くなります。
練習の機会を作ってもらう
先輩に横についてもらう、録音を聞き返す。本番だけで慣れようとすると時間がかかります。
苦手を隠さない
苦手だと伝えておくと、取れなかったときの空気が変わります。隠したまま無理を続けると、失敗したときの負担が大きくなります。
できるようになった分を伝える
取り次げる範囲が増えた、折り返しを一人で処理できた。できるようになった分を伝えておくと、任せてもらえる範囲が自分の準備に合わせて広がります。
減らす方法も相談してよい
問い合わせの入口を文字にできないか。電話の本数そのものを減らす相談は、職場全体の負担も下げます。
出られない時間を決める
集中したい作業の時間帯だけ他の人に取ってもらう。全部を一人で受ける形でなくてよいかを相談してみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 電話に出るのが怖いのは性格の問題ですか。
A. 文字の連絡と違い、電話は出るまで相手も用件も分かりません。準備できない状態で始まることが負担になっており、条件の問題である部分が大きくあります。
Q2. 出る前に何を準備すればよいですか。
A. 社名・名前・用件・連絡先の枠を作った用紙と、受け答えの型を手元に置いてください。枠を埋める形にすると、何を聞くか考えずに済みます。
Q3. 答えられない内容が来たらどうすればよいですか。
A. 「確認して折り返します。お電話番号を伺えますか」と決めておいてください。この一文があれば、答えられない場面を処理できます。
Q4. 終わったあとに落ち込みます。
A. 直す点を一行書いたらそこで終えてください。長く反省すると次の着信が重くなります。問題なく終わった回も数えておくと、電話全体が怖いものになりにくくなります。
監修:MIKATA編集部
※本記事は情報提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。心身の不調が続く場合は、医療機関や専門家にご相談ください。
