カウンセリングの初回は、悩みを整理して話す場ではなく、相手との相性を確かめる回です。話す準備ができていなくても問題ありません。
申し込みボタンの前で止まってしまう理由は、たいてい料金ではありません。何を話せばいいかわからない、うまく説明できる自信がない。この不安は、初回に何が起きるかを知らないことから来ています。
MIKATA編集部に届く「相談してみたいが踏み出せない」という声を整理すると、理由は3つに集中していました。何を話すか決まっていない・泣いてしまいそう・合わなかったときが気まずい。いずれも初回の中身が見えないことが原因です。逆に、実際に受けた人からは「思っていたより聞かれる側だった」という感想が多く寄せられます。
初回で実際に起きること
進め方は相談先によって違いますが、初回の骨組みはおおむね共通しています。多くの場合、次の流れで進みます。
- 説明:時間、料金、秘密が守られる範囲などの確認
- 今の状況を聞かれる:話せる範囲で構わない、と前置きがあることが多い
- 困っていることの確認:いつからか、どんなときに強くなるか
- 今後の進め方の相談:続けるかどうかも含めて話す
この流れからわかるとおり、初回はこちらが語る時間というより、相手が状況を把握するための時間です。整理された説明を求められる場ではありません。

「うまく話せない」が心配な人へ
話す準備は要りません。むしろ、準備しすぎると本題から遠ざかることがあります。用意した説明をなぞることに気を取られてしまうためです。
- まとまっていなくていい。話が前後しても相手が整理します
- 泣いてしまっても問題ありません。よくあることとして扱われます
- 沈黙も許されます。急かされる場ではありません
- 「何を話せばいいかわからない」と最初に言ってしまっても構いません
それでも不安なら、用意するのは説明ではなくメモにします。困っている場面をひとつ、単語で書いておくだけで十分です。
▼ 初回前に用意するなら、これだけ
- □ 困っている場面をひとつ書き出した(単語でよい)
- □ いつごろから続いているか、おおよその時期を思い出した
- □ 話したくないことがあれば、それも伝えると決めた
- □ 終了時刻を確認した
- □ 支払い方法を確認した
時間の使われ方と、聞かれること
1回の時間は、50分前後を設定している相談先が多く見られます。そのうち最初の10分ほどが説明と確認に使われるため、実際に話す時間は40分ほどと考えておくと見通しが立ちます。
よく聞かれること
- 今いちばん困っていること
- それがいつから続いているか
- 生活の中で、どんなときに強くなるか
- 今までに試したこと
- どうなったらいいと思っているか
最後の質問に答えられなくても問題ありません。むしろ、それを一緒に探すために通うケースのほうが多いものです。

料金・回数・続けるかどうかの考え方
費用は相談先の種類や形式によって幅があります。対面かオンラインか、個人か団体かでも変わるため、申し込み前に1回あたりの金額と、想定される回数を確認しておくと安心です。
- 1回あたりの料金と時間を確認する
- 初回のみ料金が異なる場合があるので確認する
- キャンセル規定と、その連絡期限を確認する
- 続ける場合の間隔(週1回、隔週など)の目安を聞く
回数についても、初回で決める必要はありません。多くの場合、初回の終わりに次回をどうするかを相談します。その場で決めかねるときは、持ち帰って考えたいと伝えて構いません。
相談先の選び方や、心を整えるヒントをLINEで配信しています。
合わなかったときにどうするか
相性が合わないことは起こります。これは相談する側の問題ではなく、話し方や進め方の組み合わせの問題です。初回を「相性を見る回」と位置づけておくと、判断がしやすくなります。
- 話をさえぎられて、こちらのペースで話せなかった
- 求めていないのに助言ばかりが返ってきた
- 話した内容が、次に会ったときに共有されていない
- 終わったあと、行く前より重くなっていた
こうした場合は、続けない選択をして構いません。断りの連絡は「今回で一度区切ります」で十分で、理由を説明する義務はありません。別の相談先を探すことは、失敗ではなく普通の手順です。

初回前に決めておくと楽になること
最後に、申し込み前に決めておくと迷いが減る3点を挙げます。
- 形式:対面か、オンラインか。移動の負担と話しやすさで選ぶ
- 求めるもの:助言がほしいのか、聞いてほしいだけなのか
- 期限:まず3回だけ、のように区切りを決めておく
2つ目が特に大切です。助言を求めていないのに助言中心の進め方を選ぶと、内容がよくても合わないと感じます。MIKATAでは、話を聞くことを中心にしている相談先や、オンラインで完結する相談先を探せるようにしています。
なお、気分の落ち込みや眠れない状態が続いている場合は、医療機関の受診もあわせて検討してください。公的な相談窓口の一覧は、厚生労働省の情報サイトにまとめられています。出典:厚生労働省「こころの耳」


よくある質問(FAQ)
Q1. 初回で必ず何か話さないといけませんか?
A. 話せる範囲で構いません。「何を話せばいいかわからない」と伝えるところから始めても問題なく、相手が質問しながら進めてくれることがほとんどです。
Q2. 家族や職場に知られませんか?
A. 相談内容には秘密を守る決まりがあり、本人の同意なく外部へ伝えられることはありません。ただし例外の範囲は相談先ごとに定められているため、初回の説明で確認しておくと安心です。
Q3. カウンセリングと医療機関は、どちらに行けばいいですか?
A. 眠れない、食べられない、体調の変化が続くといった状態があるときは、まず医療機関に相談してください。そのうえで、話を聞いてもらう場を並行して持つ形もよく取られています。
Q4. 1回だけ受けて終わりにしてもいいですか?
A. 問題ありません。初回だけ受けて様子を見る人もいます。続けるかどうかは、初回のあとで決めて構いません。
監修:MIKATA編集部
※本記事は情報提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。心身の不調が続く場合は、医療機関や専門家にご相談ください。
