カウンセラーが合わないと感じたら、我慢して通う必要はありません。担当変更は制度として用意されていることが多く、伝え方の型もあります。合わないのは、こちらの落ち度ではありません。
話しても何も変わらない気がする。でも一度決めた相手を変えるのは失礼な気がして言い出せない——この躊躇が、合わない相手に通い続ける期間を長くします。
MIKATA編集部に届く相談で、合わないまま数か月通い続けたという話を何度も見ました。理由として挙げられるのは「相手に悪い」「自分の努力不足かもしれない」。しかし相談は相性で成立が決まる種類のもので、合わないことは能力の問題でも、こちらの姿勢の問題でもありません。早く変えた人ほど、次の相手で進んでいます。
「合わない」の中身を分ける
まず、何が合わないのかを言葉にします。伝えれば解決するものと、担当を変えたほうが早いものがあります。
合わない相手を選んでしまうこと自体も、避けようがありません。相性は事前に分からないためで、初回は「相性を見る回」と位置づけておくのが現実的です。
もう一つ分かったのは、「合わない」の中身が人によって違うことです。話し方が合わない、進め方が求めているものと違う、こちらのペースで話せない、話した内容を覚えていてもらえない。中身によって、担当を変えるべきか、伝えれば済むかが変わります。その切り分けをしないまま全部やめてしまうと、「相談は自分に向かない」という結論だけが残ります。
| 合わないと感じる中身 | 伝えれば済むか | 対処 |
|---|---|---|
| 助言ばかりで、聞いてほしいのに聞かれない | 済むことが多い | 進め方の希望を伝える |
| 逆に、聞くだけで方向性が出てこない | 済むことが多い | 助言もほしいと伝える |
| 話すペースを持っていかれる | 伝えて様子を見る | 1〜2回試して変わらなければ変更 |
| 話した内容が次回に共有されていない | 伝えにくい | 担当変更を検討 |
| 話し方や雰囲気が受け付けない | 伝えても変わらない | 担当変更が早い |
上2行は役割の指定が抜けているだけのことが多く、一言伝えるだけで進め方が変わります。下2行は相手の資質や相性の問題なので、伝えても改善しにくい部分です。
切り分けができない場合
何が合わないのか自分でも分からない、という状態もあります。その場合は「なんとなく話しにくい」で構いません。言語化できないこと自体が、相性が合っていない情報です。無理に理由を探して自分を納得させる必要はありません。

伝えれば済む場合の言い方
要望を伝えるのは、相手への否定ではありません。むしろ伝えないまま進めるほうが、双方の時間を使います。
その場で使える一言
- 「今日は答えより、聞いてもらう形にしたいです」
- 「少し考える時間がほしいので、待ってもらえますか」
- 「前回の続きから話したいのですが、覚えていますか」
- 「もう少し具体的な進め方も知りたいです」
言いにくいときの伝え方
その場で言えない場合は、次回の冒頭に回して構いません。「前回のあと考えたのですが」と切り出せば、その場の空気を壊さずに伝えられます。
メールやメッセージで先に伝える方法もあります。対面で言いにくい内容なら、予約時の連絡欄に一行書いておくだけでも伝わります。
伝えて改善する相手なら、それ自体が続ける理由になります。要望への反応を見ることで、相性の判断材料も増えます。
▼ 伝える前の整理
- □ 何が合わないのかを、一言で言えるか
- □ それは伝えれば変わることか
- □ 1〜2回は試したか
- □ 伝えたときの反応を見る用意があるか
- □ 変わらなかった場合の次の手を決めてあるか
担当を変える手順
変更は制度として用意されていることが多く、特別な理由を説明する必要はありません。
- 窓口に連絡する:担当者本人でなく、受付や問い合わせ窓口へ
- 理由は簡潔に:「相性の面で、別の方をお願いしたいです」で足りる
- 希望条件があれば添える:性別、進め方、話す形式など
- 次の予約を取る:間を空けすぎると戻りにくくなる
2番目が要点です。詳しい理由を説明する義務はありません。「相性」の一言で通ります。具体的な不満を述べると、こちらが説明責任を負う形になりがちです。
希望条件を添えるかどうかも自由です。同性がいい、ゆっくり話を聞いてほしい、経験の長い人がいい。伝えておくと次の担当が決まりやすくなりますが、思いつかなければ空欄で構いません。
担当変更の制度がない場合
個人で運営している相談先では、変更先がありません。その場合は別の相談先を探すことになります。断りの連絡は「今回で一度区切ります」で十分です。
途中でやめることへの罪悪感
何回か通った相手をやめることに、後ろめたさを感じる人がいます。しかし相談は継続そのものが目的ではありません。合わない相手と続けることは、誠実さではなく消耗です。相手も、合わない相談者を抱え続けることを望んでいません。

変えるかどうかの判断基準
感覚だけで決めると迷いが残ります。回数と観点を決めておきます。
▼ 続けるか変えるかの判断
- 3回受けて、困りごとの輪郭がはっきりしたか → はい:続ける
- いいえ、進め方への要望を伝えたか → いいえ:まず伝えて1〜2回試す
- 伝えたが変わらなかったか → はい:担当変更を検討
- 終わったあと、行く前より重くなる回が続くか → はい:早めに変える
最後の分岐は特に重要です。行くたびに重くなる状態を我慢して続ける必要はありません。合っていない相手との時間は、回復ではなく消耗になります。
判断を先延ばしにするほど、「ここまで通ったのだから」という気持ちが強くなり、変えにくくなります。3回という区切りを先に決めておくのは、この引っ張られを避けるためです。
相談先の選び方や心を整えるヒントをLINEで配信しています。
変えたあとに気をつけること
次の相手でも同じことが起きる場合、相性ではなく形式や種類が合っていない可能性があります。
| 繰り返し起きること | 考えられる原因 | 次に試すこと |
|---|---|---|
| 毎回、助言が多いと感じる | 傾聴中心の相談先を選べていない | 進め方をサイトで確認して選ぶ |
| 話すこと自体が苦しい | 話す形式が合っていない | 文章での相談に変える |
| 続けられない | 通う頻度や時間帯が生活に合わない | オンラインや間隔の見直し |
| 何を話せばいいか分からない | 扱いたいものが定まっていない | 自己理解を扱う相談も検討 |
2回続けて同じ理由で合わなかったら、相手ではなく形式を疑ってください。同じ選び方を繰り返すと、同じ結果になります。
形式を変えるのは、後退ではありません。対面が合わなかった人が文章相談で続く例も、その逆もあります。自分に合う形が分かること自体が、通った成果のひとつです。

我慢して続けないほうがいい理由
合わない相手に通い続けることには、明確な損があります。
- 費用と時間が、回復ではなく消耗に使われる
- 「相談しても意味がない」という記憶が残る
- 次に必要になったときの障壁になる
- 本当に合う相手に出会う機会が遅れる
2番目と3番目が長期的には大きい損失です。一度の合わない経験を「自分には向かない」と一般化すると、次に必要な場面で選択肢から消えます。
実際、2か所目で合う相手に出会えた例は多くあります。1か所目の経験だけで方法そのものを判断しないでください。
なお、眠れない・食べられない状態が続いている場合は、担当を変えるより先に医療機関を検討してください。出典:厚生労働省「こころの耳」
MIKATAでは、傾聴を中心にしている相談先やオンラインで完結する相談先を探せるようにしています。形式から選び直すと、同じ失敗を繰り返しにくくなります。


よくある質問(FAQ)
Q1. 担当を変えたいと言うのは失礼ですか?
A. 失礼ではありません。相性で成立が決まる種類のものなので、変更は制度として用意されていることが多くあります。理由は「相性の面で」の一言で足ります。
Q2. 何回受けてから判断すればいいですか?
A. 3回が目安です。ただし、行くたびに重くなる状態が続く場合は回数を待たずに変えて構いません。
Q3. 次の人でも合わなかったらどうしますか?
A. 2回続けて同じ理由で合わなかった場合、相手ではなく形式が合っていない可能性があります。話す形式や進め方から選び直してください。
Q4. 担当を変える制度がない相談先です。
A. その場合は別の相談先を探すことになります。断りの連絡は「今回で一度区切ります」で十分で、理由の説明は不要です。
監修:MIKATA編集部
※本記事は情報提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。心身の不調が続く場合は、医療機関や専門家にご相談ください。
