カウンセラーを途中で変えることは失礼ではなく、決めたあとの手順があるだけです。伝え方と引き継ぎを整理します。
変えたいと思っているが、これまで話してきた相手に言い出せない。黙って行かなくなるのも気が引ける。カウンセラーを途中で変えるとき、多くの人が判断ではなく伝え方で止まります。この記事では、伝えるときの言い方と、これまでの内容をどう引き継ぐか、次の相手を選ぶときの確認を整理します。
言い出せなくなる理由

変えると決めたあとに止まるのは、伝える場面を想像したときの負担です。
相手を否定することになる気がする
合わないと伝えることが、相手の力量を否定することのように感じられます。実際には相性の話であり、同じカウンセラーが他の人には合っていることもあります。
これまでの時間が無駄になる気がする
何回も通ってきた分、変えることで積み上げが消える感覚があります。話した内容は自分の中に残っており、記録を持っていけば引き継げます。
黙って行かなくなるのも気が重い
連絡せずに離れると、そのこと自体が後ろめたさとして残ります。一度伝えて終えるほうが、結果として負担は小さくなります。
次が見つかる保証がない
変えたあとにもっと合わない相手だったらどうしようという不安があります。次を先に探してから伝える形にすれば、この不安は減らせます。候補が一つ決まっているだけで、伝える負担は大きく下がります。
MIKATA編集部でこの話題を調べたところ、複数の相談機関が「まず現在の担当者に相談してほしい」と案内していました。同じ機関の中で担当を替える仕組みを用意しているところもあります。黙って離れるしかないと思われがちですが、手続きとして用意されている場合があります。
状況を四つに分ける
同じ「変えたい」でも、取れる手順が違います。
| 状況 | できること | 先にやること |
|---|---|---|
| 同じ機関に複数在籍 | 担当の変更を申し出る | 受付か代表に相談する |
| 個人の相談室 | 終了を伝えて別を探す | 次の候補を先に探す |
| 職場や学校の相談窓口 | 担当の変更を申し出る | 窓口の管理者に相談する |
| 医療機関に併設 | 主治医に相談する | 診療の担当者に伝える |
複数在籍なら変更の仕組みがある
四つのうち、同じ機関に複数のカウンセラーがいる場合は変更の手続きが用意されていることがあります。担当者本人に言いにくければ、受付や代表に相談できるかを確認してください。
窓口や医療機関に併設なら管理者に相談する
職場や学校の相談窓口、医療機関に併設された相談室では、担当者本人ではなくその窓口を管理する側に伝える経路があります。本人に言いにくい場合は、先にその経路があるかを確認してください。
休止という選択もある
変えるか続けるか以外に、一度止める選択もあります。しばらく空けてから同じ相手に戻ることもできます。終了と決めきらずに、休止として伝える形も選べます。
個人の相談室は次を先に探す
一人で開いている相談室では、変更の仕組みがありません。終了を伝えることになるため、次の候補を先に探しておくと空白の期間ができません。通う先がない期間が長くなると、そのまま離れてしまうことがあります。
伝えるときの言い方

長く説明する必要はありません。短く、事実として伝えてください。
- 面談の冒頭で伝える(終わり際にしない)
- 終了したい旨を先に言う
- 理由は話せる範囲でよい(相性、通いにくさ、経済的な事情)
- これまでの記録をもらえるか聞く
- 次に伝えたほうがよいことがあるかを聞く
冒頭で伝える
終わり際に切り出すと、扱う時間がありません。始まってすぐに伝えれば、その回で引き継ぎに必要なことを整理できます。
次に伝えることを聞いておく
引き継ぎのために何を伝えておくとよいかを聞くと、専門的な観点から答えてもらえることがあります。これまで扱ってきた内容の要点をその場で確認できると、次の初回が短く済みます。
理由は詳しく言わなくてよい
「合わないと感じている」で足ります。詳しく説明しようとすると、説明の内容についてその場で話し合うことになります。決めたことを伝える場面であって、検討する場面ではありません。
MIKATA編集部に届く相談を読むと、変えたいという話は「変えるべきかどうか」と「どう伝えるか」が混ざったまま書かれています。この二つを分けると、判断はすでについていて伝え方だけが残っている場合がほとんどです。
記録の引き継ぎ

これまで話した内容を一から説明し直す負担を減らせます。
▼ 引き継ぎで確認する項目
- □ 記録を書面でもらえるか
- □ もらえない場合、要点を口頭で確認できるか
- □ 自分の側で残しているメモがあるか
- □ 何回通ったか、いつからいつまでか
- □ 扱ってきた主な内容
- □ うまくいった進め方、合わなかった進め方
もらえない場合は自分で書く
記録の扱いは機関によって違い、そのまま渡せない場合があります。その場合は、通った期間、扱った内容、合った進め方と合わなかった進め方を自分で数行書いておいてください。
回数と期間を控えておく
いつから何回通ったかは、次の相手にとって基本的な情報です。領収書や予約の記録から確認できることが多いので、変えると決めた時点で控えておいてください。
合わなかった進め方こそ役に立つ
次の相手に伝えるとき、何が合わなかったかは重要な情報です。助言が多いのがつらかった、質問が続くのが負担だった。これを最初に伝えると、同じ形を繰り返さずに済みます。
次を選ぶときの確認

同じ理由で合わない相手を選ばないよう、確認する点を決めておいてください。
次を選ぶときの順番
- 合わなかった点を一行で書き出す
- その点が起きにくい進め方かを案内で確認する
- 初回に、前回合わなかった進め方を先に伝える
- 初回のあとに、続けるかを一度立ち止まって決める
初回に先に伝える
前の相手で合わなかった点を初回に伝えておくと、同じ進め方を避けてもらえます。「前回は助言が多くてつらかった」と事実として伝えて構いません。
案内で進め方を確認する
次の候補を探すとき、扱う相談内容だけでなく進め方が書かれているかを見てください。話を聞く型か、課題を出す型か。合わなかった点と照らして選べます。
初回のあとに一度立ち止まる
その場で継続を決めず、一度持ち帰ってから判断してください。変えた直後は変わったこと自体で良く感じることがあります。数日置いてから決めるほうが確かです。初回の印象と、三回目の印象は違うこともあります。
変えることをためらう必要はない

変更は特別なことではありません。
合う相手は人によって違う
同じカウンセラーでも、合う人と合わない人がいます。変えることは相手の力量を否定することではなく、組み合わせを変えることです。
我慢して続けるほうが損失が大きい
合わないまま通い続けると、時間と費用を使いながら進みません。さらに、相談すること自体への抵抗が強くなります。早めに変えるほうが、次に進める時期も早くなります。
状態が悪いときは無理に動かない
生活が回らないほど状態が悪い時期に相手を変えると、一から説明する負担が重くなります。その場合は、医療機関にも相談したうえで動く時期を決めてください。本記事は情報提供を目的としたもので、診断を行うものではありません。
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よくある質問(FAQ)
Q1. カウンセラーを途中で変えるのは失礼ですか。
A. 相性の話であり、同じカウンセラーが他の人には合っていることもあります。複数在籍する機関では担当変更の手続きが用意されていることもあり、特別なことではありません。
Q2. どう伝えればよいですか。
A. 面談の冒頭で、終了したい旨を先に伝えてください。理由は「合わないと感じている」で足ります。終わり際に切り出すと、引き継ぎに必要なことを整理する時間がありません。
Q3. これまで話した内容は引き継げますか。
A. 記録を書面でもらえるか確認してください。もらえない場合は、通った期間、扱った内容、合った進め方と合わなかった進め方を自分で数行書いておけば足ります。
Q4. 次の人も合わなかったらどうしようと不安です。
A. 合わなかった点を一行で書き出し、初回に先に伝えてください。「前回は助言が多くてつらかった」と事実として伝えると、同じ進め方を繰り返さずに済みます。
監修:MIKATA編集部
※本記事は情報提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。心身の不調が続く場合は、医療機関や専門家にご相談ください。
