形の見えない不安は、消そうとするより書き出して切り分けるほうが小さくなります。手順を整理します。
何が不安なのか自分でも分からないのに、ずっと落ち着かない。考えても答えが出ず、気づくと同じことを繰り返している。この記事では、不安が形を持たないままになる仕組みと、書き出して切り分ける手順を整理します。
不安が形を持たない仕組み

性格の問題ではなく、扱い方の問題です。
頭の中では同じ場所を回る
考えているつもりでも、実際には同じ心配を繰り返しています。進んでいないので終わりが来ません。
複数のことが混ざっている
仕事、お金、健康、人間関係。別々のことが一つの塊になると、大きさだけが増して手がつけられなくなります。
起きていないことを扱っている
まだ起きていない出来事は対処のしようがありません。対処できないものを考え続けると、不安だけが残ります。
疲れていると強くなる
眠れていない日や余力が無い日は、同じ状況でも不安が大きく感じられます。状況ではなく体力の問題であることがあります。
夜に考えている
夜は判断する力が落ちています。その時間に考えると悪い方向に寄りやすくなります。
誰にも話していない
口に出していないと形が定まりません。話す相手がいないと、頭の中だけで大きくなっていきます。
忙しさで先送りしている
日中は動いているので気になりません。手が空いた瞬間に戻ってくるため、扱う時間を取らないかぎり同じことが繰り返されます。
MIKATA編集部に届く相談を読むと、不安についての困りごとは「消えない」より「何に不安なのか説明できない」という形で書かれています。対処法を知らないのではなく、対象が定まっていない状態です。
不安を四つに分ける
書き出したあとは分類します。
| 種類 | 見分け方 | 扱い方 |
|---|---|---|
| 今できることがある | 手順が思い浮かぶ | 一つだけやる |
| 情報が足りない | 分からないから怖い | 調べる・聞く |
| 自分では決められない | 相手や状況が決める | 待つと決める |
| 起きていない | もしもの話 | 扱わないと決める |
できることは一つだけやる
全部を片付けようとすると動けません。一番小さいものを一つやると、そのぶん不安が減ります。
情報を集めると小さくなる
分からないから怖い場合、調べたり聞いたりするだけで形が見えます。怖さの多くは情報の不足から来ています。
扱わないと決める
起きていないことや自分で決められないことは、考えても進みません。扱わないと決めることも対処の一つです。
待つと決めると軽くなる
相手の返事や結果を待つしかない場合、「いつまで待つか」を決めるだけで扱いが変わります。宙に浮いている状態がいちばん重くなります。
分類できないものは残してよい
四つのどれにも当てはまらないものは、無理に分けずにそのまま残しておいてください。時間が経つと分類できることがあります。
書き出す手順

整えようとせずそのまま出します。
- 紙とペンを用意する
- 浮かんでいることを順不同で全部書く
- 書き終えたら四つに分類する
- 今できることを一つ選ぶ
- 残りは日付を決めてまた見る
順不同で構わない
整理しながら書こうとすると手が止まります。浮かんだ順にそのまま出してください。分けるのは書き終えてからです。
紙に書く
画面に打つより紙のほうが見渡しやすくなります。全部が一度に見えると、思っていたより少ないことが分かります。
一行ずつ短く書く
文章にしようとすると手が止まります。「来月の支払い」「上司との面談」。単語だけで構いません。あとで自分が分かれば足ります。
残りは日付を決める
今できないものは「来週また見る」と日付を書いて閉じてください。捨てるのではなく置いておく形です。
時間を区切って書く
十分と決めて書き出してください。時間を決めないと、書きながらまた考え込むことになります。
編集部で不安の扱い方を二通り比べました。頭の中で整理しようとする形と、紙に書き出す形です。後者のほうが同じことを繰り返す回数が減り、手をつけられる項目も見つかりました。頭の中では同じ場所を回り続けるためだと考えられます。
書いたあとの扱い

書いて終わりにしません。
▼ 書き出したあとに確認すること
- □ 四つに分類した
- □ 今できることを一つ選んだ
- □ 起きていないことに印をつけた
- □ 残りに日付を書いた
- □ 紙を目に入る場所に置いていない
- □ その日はもう考えないと決めた
その日はもう考えない
書き出したあとも考え続けると、書いた意味がありません。紙に置いたので今日は終わり、と決めてください。
目に入る場所に置かない
書いた紙が見えていると、そのたびに思い出します。引き出しにしまって、決めた日に出してください。
一つだけやって終える
選んだ一つをその日のうちに済ませると、動けた感覚が残ります。全部やろうとすると何も進みません。
できたら線を引いて消す
済ませた項目に線を引いてください。減っていくのが見えると、書き出す作業自体が続けやすくなります。
それでも消えないとき

書き出しても収まらないことがあります。
収まらないときに確かめる順番
- 睡眠が足りているか確かめる
- 食事が取れているか確かめる
- 考える時間帯が夜に偏っていないか見る
- 一人で抱えていないか見る
- 二週間以上続く場合は相談する
睡眠を先に見る
眠れていない日が続くと、同じ状況でも不安が大きくなります。考え方を変えるより先に確かめてください。
考える時間を昼に移す
夜に考えると悪い方向に寄ります。浮かんだら書くだけにして、考えるのは翌日の明るい時間にしてください。
一人で抱えていないか見る
誰にも話していない状態が長いと、形が定まらないまま大きくなります。内容を全部話さなくても、抱えていることだけ伝えておくと違います。
続くときは相談する
不安が続いて眠れない、食事が取れない、日常のことに手がつかない状態が二週間以上続く場合は、医療機関や公的な相談窓口に伝えてください。本記事は情報提供を目的としたもので、診断を行うものではありません。
続けやすい形にする

一度で消すものではありません。
習慣にする
週に一度、決めた日に書き出すと、溜まる前に扱えます。限界まで待たずに済みます。
同じ項目が残ることもある
何度書いても残る項目があります。それが本当に扱うべきことです。見つけたと考えてください。
残る項目は誰かに話す
何度書いても消えないものは、自分だけでは扱いきれない可能性があります。その項目だけを誰かに話してみてください。
減った項目を数える
前回書いたものと比べて、消えている項目があれば進んでいます。気づかないうちに解決していることがあります。
人に話す形も使う
書くのが合わない場合は、誰かに話すことで同じ効果が出ます。口に出すと形が定まります。
不安を無くそうとしない
不安は先を考える働きでもあります。全部消すのではなく、扱える大きさに分けることが目的です。
同じ手順を毎回使う
やり方を変えるとその都度考えることになります。書く、分ける、一つやる。この三つだけを繰り返してください。
できた日を数える
書き出せた日を残しておいてください。続いていることが見えると、次も取りかかりやすくなります。
前回の紙を取っておく
書いたものを捨てずに残しておくと、数か月後に読み返したときにほとんどが解決していることに気づけます。先の不安に対する材料になります。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 漠然とした不安が消えないのはなぜですか。
A. 頭の中では同じ心配を繰り返していて進んでいないため、終わりが来ません。仕事やお金など別々のことが一つの塊になり、大きさだけが増している状態でもあります。
Q2. 何をすればよいですか。
A. 紙に浮かんでいることを順不同で全部書き出し、「今できること」「情報が足りない」「自分では決められない」「起きていない」の四つに分けてください。
Q3. 書き出したあとはどうしますか。
A. 今できることを一つだけ選んでその日のうちに済ませ、残りは日付を決めて閉じてください。書いた紙は目に入る場所に置かず、その日はもう考えないと決めてください。
Q4. 書いても収まりません。
A. 睡眠と食事が取れているかを先に確かめ、考える時間を夜から昼に移してください。眠れない、日常のことに手がつかない状態が二週間以上続く場合は相談窓口に伝えてください。
監修:MIKATA編集部
※本記事は情報提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。心身の不調が続く場合は、医療機関や専門家にご相談ください。
